みえ教育ネットワーク

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えっ、私が英語を教えるの?

信じられない!今の学校現場でおこっていること


  

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 四日市市内の小学校で非常勤講師をしているTさん、4月5日に赴任校に行ったら机の上に6年生の英語の教科書が置いてあります。「えっ、私が英語を教えるの?聞いてないです。」「いえいえ、T先生はベテランで、何でもできると伺っています。」
40年間英語知らずの私が英語の専科教員?

 

 そんなやりとりのあと、不本意ながら英語専科を受け持つことに。しかし40年間英語なんて全く無縁の生活をしてきたTさん、「そもそも小学校の英語で、何をどこまで教えるの?教材は?到達目標は?評価は?」教頭に聞いたら「みんなわからないんですよ、チャレンジです。」「・・・・・」それにしても非常勤の私にさせるのはひどすぎる、そんな言葉を呑み込んで英語の教科書を家に持ち帰りました。

 「私がシロウトだからって、子どもが犠牲になってはかわいそう」。教師という仕事が大好きなTさんは持ち前の真面目さを発揮して猛勉強を開始します。市の広報で見つけた英会話講座に通い、インターネットで教え方を研修、Eテレの英語番組は幼・小・中すべて録画、それらを復習するために10連休は朝から晩まで英語漬けだったと言います。「たまねぎはオニオン、でも本当の発音はアニョンに近い。コアラはコゥアーラ。」そんなことを発音記号で調べて、教科書に書き込んでいきました。

 

 話を聞いているうちに、3年前に教育ネット教研集会で聞いた江利川先生(和歌山大学)のことばを思い出しました。「小学校英語なんて百害あって一利なし、英語の専門家でもない政治家に思いつきで教育行政をしてもらいたくない」

 

 財界からの要求を背景に強引に持ち込まれた小学校英語、いま全国の小学校で先生たちが困っています。どういう校内事情があったのかはわかりませんが、立場の弱い非常勤講師がそのしわよせを受けている。そんな中で健気にがんばっているTさん、頭が下がる思いでお話を聞きました。  (よ)