みえ教育ネットワーク

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みえ教職員懇話会(現役教員と退職教員がつくる団体)三重県教育委員会と懇談

 みえ教職員懇話会(現役教員と退職教員がつくる団体)が去る7月5日、三重県教育委員会と懇談をしましたので、その模様をお知らせします。

安倍首相の一斉休校要請に無批判で追随した三重県教委、

あれは間違いだったとしっかりと反省してもらいたい。

 
  ~みえ教職員懇話会が三重県教育委員会との懇談で訴える~

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 コロナ禍で2回延期となり、やっとのことで7月5日、みえ教職員懇話会と三重県教育委員会の懇談が行われました。県教委側は教職員課、教育総務課から7名が、懇話会側は会員4名が参加しました。

 

 あらかじめ13項目の要望が出してあり、それに対する回答も受け取っていましたので、懇談には内容をしぼって臨みました。従来の大規模な参加ではなくお互い少人数だったため、おちついた雰囲気の意見交換ができました。

 

1 コロナ禍の教育(一斉休校の総括) 

 懇話会;2020年2月27日に安倍首相が全国一斉休校を要請したとき、私は息が止まった。体が震えた。これは戦前か、日本はどうなっているんだ。日本中の学校がその要請に従った。その結果、子どもたちは3か月間、学校に行けなかった。三重県教委はどういう判断で「休校」にしたのか?その判断は大きな間違いだったと反省しているか?

 

県教委;私たちにとって経験したことのないことだった。当時の判断としては従うしかなかった。休校中も学習の遅れが出ないよう、オンラインなどさまざまな工夫をした。

 

懇話会;卒業式、入学式を控えた、子どもたちにとって一番大事な時期に休校する、首相の一言で学校が止まる、これは異常だと思わないか?

 

県教委;あの時はわからなかった。今後休校するときは短期間にし、学習の保障をしっかりとする。

 

懇話会;終わってしまったことだから仕方がないが、間違ったときは、きちんと総括しなければいけない。安倍の思い付きで日本中の学校が振り回された。今後は言いなりにならないということを教訓にすべきだ。

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 ベテランMさん(91歳)、Oさん(86歳)の言葉には重みがあります。教委のみなさんは真摯な表情で耳を傾けていました。最後に、「三重県の教育に責任の持つのは教育委員会だ。今後、首相からどんな要請があっても、決めるのは県教委だという理解でいいですね?」との念押しに、こもごも頷いていたのは印象的でした。

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2 少人数学級の実現(国が35人学級へかじを切ったことを踏まえ、三重県としてはどう取り組むか)

 

懇話会;少人数学級は大事だ。ある高校では募集定数を減らして35人学級にした。ところが生徒数が減ったという理由で、先生が3人減らされた。学級数は変わらないのに先生が減れば負担は大きくなる。現場からは悲鳴が上がっている。小中学校でも少人数学級を作るためにフリーの先生を担任に回すから、現場に余裕がなくなる。(国の加配に頼るのではなく)県独自の学級編成基準を作り、先生を増やすべきだ。大きな予算を伴うことではあるが、思い切って英断を求める。

 

県教委;おっしゃるように国の加配定数の中で学級増をしていることに無理があることは承知している。国への要望は上げ続けている。なお、三重県の課題は少人数学級だけでないことも理解してほしい。特別支援学級増設のニーズは年々増え続けている。外国籍児童の問題もある。限られた予算をどう使うか四苦八苦しているのが実情だ。

 

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「国の加配定数の中で学級増をしていることに無理がある」との認識が共有できたことは一歩前進。あとは「思い切って英断」し、県独自の予算で先生を増やすことだ。

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 7月11日(日)にはみえ教職員懇話会・みえ教育ネットワーク・30人学級実現と行きとどいた教育を求める会の3団体が協力して「30人学級実現!三重県縦断キャラバン」にとりくみました。津→鈴鹿四日市へと宣伝カーを移動させて、署名・宣伝行動にとりくみました。のべ20人が参加し104筆の署名が集まりました。集まった署名は、各団体が集める署名と合わせて9月に三重県教育委員会に提出します(昨年は約5000筆)。

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3 1年単位での変形労働時間制を導入しないこと

 

懇話会;変形労働時間制導入のための条例の準備は、今どこまで来ているのか。

 

県教委;条例化するかも含めて検討中です。

 

懇話会;変形労働時間制は、時間外労働が1か月45時間未満であることが前提。そのような前提がない以上、導入はあり得ない。

 

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 前回(2019年12月24日)の懇談では「私は担当者として粛々と進めるだけです」と答えていた。あれから1年半以上が経つが、未だに「条例化するかも含めて検討中」とのこと。北海道のように現場の反対を押し切って条例化を進めたところと比べて、ある意味三重県教委の姿勢は評価できます。「繁忙期の勤務時間を6時、7時まで延ばし、そのぶん夏休みにゆっくりする」なんてことはあり得ない。現場の反対が目に見えているから県教委も条例化に慎重にならざるをえないのでしょう。

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4 日本学術会議任命拒否問題

 

懇話会;私は北勢高教組の支部長を8年間務めた。そのころ私たちは中曽根内閣の悪政とたたかったが、当時の大臣には矜持があった。今の安倍、菅内閣にはそれがない。内閣人事局で官僚の人事を握り、思いつきで、やりたい放題。政府にとって気に入らないからと任命を拒否したのはそのあらわれ。許しがたい介入であり、学問の自由に対する挑戦だ。

 

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 回答書で「この問題は内閣が決めることであり、県教委は関与する立場にありません」と回答していたので、議論は難しいとは思ったが、せめて「不当な介入だと思うか、思わないか」について個人の意見でいいので聞かせてほしかった。しかし教委の皆さんは「勘弁してください」とばかりに、顔の前で手をふるばかりだった。

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  以上、報告 吉田