みえ教育ネットワーク

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声を上げれば 政治は変わる 教員免許更新制 ついに廃止へ!

教員免許更新制、ついに廃止へ!

 

 第1次安倍晋三政権で制度化され2009年から始まった教員免許更新制は、10年に1度、30時間程度の「更新講習」を受講しないと免許が失効する制度です。

 

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 みえ教育ネットワークは当初から「国の言うことをきく教員を作るのがねらい」と反対し、毎年の運動方針には「凍結または廃止」を掲げてきました。

 

 実施から10年あまりがたち、問題点が誰の目にも明らになってきました。何より、この制度が教員不足を深刻化させたことです。例えば産休・育休や病休の教員に替わる時教員が見つからなくなりました。

 

 普段は教職についていない人たちが、免許更新していないため雇えない例が相次ぎ、授業に穴が開く学校も出ています。50歳代で免許更新を迎え、そのまま退職する教員も少なくありません。

 

 教員の負担も深刻です。異常な長時間労働がいっこうに改善されないもとで、土日や夏休みを利用して受講し、3万円の受講料に加え、交通費、場合によっては宿泊費まで自己負担するのが「更新講習」です。

 

 必要性を感じられないまま、免許が失効しないように仕方なく受講しているのが実情です。別項の現場教員の手記が、その負担の大きさを物語っています。

 

 各方面からの批判が高まり、ついに文科省が教員免許更新制度の廃止に言及したことを歓迎します。来年の通常国会に免許法改正案の提案を目指すとしています。来年4月からの適用を求めます。 (よ)

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教員免許更新講習の実態     道家 桂

 私は今、まさに教員免許更新講習の真最中だ。

 

 コロナ禍のため、昨年から「オンデマンド講習」というものになった。大学からパソコンに送られた資料を印刷し、動画を何本も見、出された課題についてレポートを書いて提出、というものだ。

 

 5つの講座で動画はそれぞれ3本のものから8本のものまであるが、結局は1講座につき6時間になっている。

 

 内容は現代の教育の諸事情から書写指導など(私は国語なので)いろいろ。まだ2講座しか終了していないが、どれも教員向けの大学の講義とみれば、おかしなものではないし、「へえーそうだったのか(「秘密のケンミンショー」風に)」なんて感心する内容もある。ただ、最後に書くレポートにホントにこんな細かいことが必要なの?という内容がぎっしり。

 

 例えば「書写」では、教科書の画像そのものが出てきて道具の名称や配置、筆の持ち方や姿勢など(そんなもの、もう何べん生徒に教えたことか!)から始まり、いかにも大学の講座らしく「篆書」「隷書」などの昔の文字の解説まで(そんなもの、中学生に教える先生がどこにいるか!)長々と続いた。よく考えれば当たり前のことなのだが、彼らは「6時間」と決められた講義をしなければならないし、勝手に短くできないのだ。

 

 しかし受ける側からすれば単なる時間の無駄。また資料にしても、最初の講座でよくわからないまま印刷したら何と36枚!みんな動画の中で出てくるものばかりだった。「インクとコピー用紙を無駄遣いした!」という後悔も後の祭り。それ以降は中身を見て本当に必要なものだけ印刷している。

 

 ただ、動画は早送りができない(勝手に飛ばすのはできる)ため、やはり見るのに6時間近くはかかってしまうし、それ以上にレポート作成が大変。

 

 私はかなり文章を書くのは早い方だと自覚しているが、2講座で3本のレポート(1講座を2人で分けているものもあるため)を書くのに、別の日の10時間程度を費やした。講義の後は頭痛が起こり、バフアリンを飲むほどになったため書くのは無理だったし、レポートを書く時も「万が一内容に間違いがあったら・・・」という不安もあって、動画を見直したりして何度も書き直したため、そうなってしまった。

 

 たった2講座で「勘弁してほしい」と痛切に感じた。講座内容は大学によってちがうし、多分これはましな方だと思う。しかし、こんな講習を先のある若い教師が受けなければならないと考えると、亡くなった横井久美子の「ノーモアスモンの歌」のサビが思い浮かんだ。

 

 「こんな苦しみは二度と、この世に起こしてはいけない。こんな苦しみはもう、私達だけでいい」ほんとに、こんなことは今年で終わりにしないと、教師はみんな辞めていくんじゃないか?

                             (中学校 非常勤)