みえ教育ネットワーク

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〜見えますか、子どもたちのシグナル〜

 10月20日、表題の講演会が四日市で行われました。主催したのは「30人学級実現とゆきとどいた教育を求める会」。教育相談活動で出会った不登校の子どもの話では、わが子のことを思い出すのか、涙ぐみながら聞く参加者もいました。以下、抜粋です。


○大津の中学生いじめ自殺事件は、もし自分がその学校の校長だったらと考えると、とても冷静ではいられないだろうと容易に想像できる。アンケートをすべて公開してよいものかどうか、迷うのは当然だ。学校や教育委員会の「当時者性」を考慮した上での批判であるべきだ。第3者機関の設置はきわめて妥当。ぜひ教訓を残してほしい。

○国連子どもの権利委員会は「冷静な第3者」として日本の教育の現状を分析している。子育て中の父親の帰宅が9時、10時などというのは異常だ。企業の社会的責任が問われなければならない。利き目でわが子を見ながら、もう一つの目で社会を見ることが必要。子どもを何とかすればよくなるのではない。社会を変えなければ・・・。

○学力世界一のフィンランド、かつては銃乱射、不登校、離婚など問題多発していた。第3者委員会で議論し、法律で「働き方」を規制した。5時を過ぎて残業させると上司が罰を受ける。残業が必要なら他の人を雇うべきだ(ワークシェアリング)、という仕組みに変わった。

○日本では子どもの数は減っているのに競争はひどくなっている。国連子どもの権利委員会は「過度な競争がいじめ、不登校、情緒不安定、自殺・・・を生んでいる」と指摘している。学力テストは「調査」だけなら抽出で十分なのに、悉皆調査をして県・市・学校を競わせる。「過度な競争」にますます拍車をかけている。

○「教育」というが、「教」えることばかりが強調されて、「育」つ機会が失われている。小4までのギャングの時代に小さな悪さをくりかえすことで、大人になって大きな悪に手を染めない人間ができる。この時期に育ち損なうと「虫も殺さぬ顔で、人を殺す」ような、とんでもないことがおこる。

○「あの子はADHDじゃない?」というようなラベリングが流行っているが、生理的要因にのみ目がむくと、家庭的・社会的要因が見えなくなる。軽々に頼ることは問題の本質を見失う。

○暴力・暴言・DV・体罰などの「暴力の文化」は深刻な副作用を生む。しかし依然として体罰がもてはやされたり、脅しがはびこったりしている。絵本「地獄」を幼児に読み聞かせ、「おかげで、悪さをしなくなりました」などという実践は問題だ。

○カウンセリングに来る不登校のお母さんは自分が辛くて泣くが、「一番辛いのは子どもだよ」ということがわかると、変わり始める。小・中と成績トップだった高1の息子が自室に引きこもる。トイレにも降りてこない。お母さんは廊下に食事を置くことしかできない。食事がなくなっていると「ああ、生きている。」とホッとする。生きているだけでいいと母が変わったとき、子どもが少しずつ動き始めた。

○対人恐怖で不登校になる大学生がいる。他人とうまく付き合えない、他人から話しかけられることに恐怖。トイレで食事をする大学生、壁に向かって食事をする大学生。9歳から10歳にかけて育つ「自己内対話」が身についていないと、他人との会話が出来ない。親友との対話で自信がつき、親に「反抗」もする。その時期に育ちそびれた子(反抗もしない子)が、あとで深刻な困難をかかえる。

パナソニックは1200人の新規採用のうち1000人は外国人だそうだ。「日本の大学生は人格的成熟度が弱く、厳しい現実に対応できない」という。ある企業は6次面接まである。「学力より人格を見たい」ということだ。このままでは日本は滅びる。フランスのある県では、宿題を廃止して、下校後の「育ち」の時間を保証した。そのぐらいの思い切った改革が日本にも必要だ。

○背筋力が弱いとすぐ眠くなる。眠くなると子どもは、あくびをしたり、手遊びをしたり、立ち絶ち歩いたり・・・。学力低下の一因だ。背筋力は、やはり子ども時代の遊びから作られる。

 若いお母さんの参加も多く、講演のあとの質問タイムには「4人の母です。どのように等しく愛着を注げばいいですか?」など、率直な質問が出ていました。
(文責;吉田)

【お知らせ】
30人学級の早期実現を求めて以下のようにキャラバン宣伝行動を行います。どうぞお近くの会場に駆けつけてください。
2012年 30人学級早期実現三重県キャラバン
<スローガン>
国の責任ですべての学年で30人学級の早期実現を
三重県は不平等(25人条項)をなくし、いっそうの前進を

<行動計画>日時 10月28日(日)  11:00〜4:00
場所 11:00〜12:00津駅前(東口)⇒1:00〜2:00鈴鹿ハンター前
⇒3:00〜4:00四日市駅前(100メートル道路側) 
宣伝  宣伝カー    みえ労連の宣伝カーを借用
チラシ     みえ教育ネットワーク
    ハンドマイク  みえ教育ネットワーク 
署名用紙    30人学級の会作成のもの
横断幕・のぼり・風船・ぬいぐるみ・ティッシュ  各団体で用意  
にぎやかに! はなやかに!
<主催>
30人学級の早期実現を求める三重県キャラバン実行委員会

<実行委員会構成団体>
30人学級実現とゆきとどいた教育を求める会/みえ教職員懇話会/みえ教育ネットワーク