小森さんは最近の著書「橋下維新の会の手口を読み解く」(新日本出版社)で、橋下徹大阪市長の騙しにどう対抗するかを、次のように述べています。
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「・・・橋下氏や維新の会を大阪で支持しているのは若い人と女性であるといわれています。・・将来、あるいは明日の暮らしをめぐって不安でたまらないという人が少なくないはずです。なぜこのような状態に自分が置かれているのかといううらみ、憎しみのような気持ちも周囲に対してあるでしょう。それだけに『白か黒か』ハッキリしたものの言い方をする〜この社会で生き残るには競争を勝ち抜くしかないのだ、役に立たない教師や公務員はクビにして当然だというような〜橋下氏のことを、こうした若者や女性たちは、『何となくいいかな』と思う面があると思います。
私にもその気持ちはよくわかります。ですからそういう人に向き合う時、私たちはまず「あなたがそういうふうに思うのはよくわかる」ことを伝え、その人の思い、言い分をよく聞くことから始めるべきだと思います。まず第一は『聞くことから始める』ということです。彼女ら・彼らは、本当にさまざまな悩み、不満、不安を持っているはずです。まず相手の側に立って、聞く耳、開く心、開く姿勢を相手に示す眼差しを持って、『うん、うん』とうなずくところから会話を始めましょう。
その上で第二に大事だと思うことは、橋下氏や『維新の会』の人たちが、いったい政策として何を行うと主張しているのかを論理的に明確にすることです。『それで私たちは果たして得をするのか』ということを具体的に語り合うことです。たとえば、教育条例で学カテストの成績を学校ごとに公開するという政策に対しては、『それをやったとき、子どもたちはどう思うかしら』『子どもたちは本当にやる気になるかしら』『成績の悪い学校が統廃合されたら子どもたちはどこに行けばいいのかしら』と具体的に考えていくのです。子どもたちや私たち大人は果たして本当に幸せになるのか、得をするのか、とことん考え話し合っていくことが重要です。
すると必ず、ほとんど得をしないし、むしろ嫌な思いだけが残るのでは、ということが見えてくるはずです。」 (同書P81〜p83)
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橋下・維新支持率低下との報道もありますが、サンデー毎日「衆院選小選挙区300議席を予想する」によれば「維新の会」は「69議席」を獲得するというおどろくべき数字です。
そうなれば「安倍総理」の出現(?)と合わせて「憲法9条を改正して日本を戦争のできる国に」という動きが一気に加速することも考えられます。
騙されない有権者になるために小森さんの講演を多くの人に聞いてもらいたいものです。