わが校の目標は学力テストで日本一になることです……津市のある小学校
文科省でさえ「学校の序列化につながる」として、学校別成績を公表しないよう求めてきた。過度な点数競争に走ることは好ましくないとの立場だ。
にもかかわらずこの学校では「平均点で秋田県を上回り日本一をめざす」というのだ。学力の一部でしかない学力テストの成績を学校目標に掲げるとは、何という貧困な発想だろう。この学校の子どもたちや先生たちが気の毒だ。
また「いじめ・非行・不登校をゼロにする」ことが目標になっているのも問題だ。結果としてゼロになるなら大歓迎だが、初めからゼロを目標に取り組む教育とはいったいどんなものになるのだろうと心配する。
聞くところによると、この学校では担任教諭が休職し、別の講師は任期途中で退職したという。
鈴木英敬知事が「学力テストで全国3位以内に」などと発破をかけ、それを受けていくつかの市町教委が「過去問」をさせて平均点アップをはかるなど、三重県内にじわじわと浸透する「学テ狂想曲」。その中で現れたこのたびの学テ日本一目標と現場の混乱。誤りに早く気がつかないと三重県の教育は大変なことになる。 (元教員 K)