みえ教育ネットワーク

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〜みえ教育ネットワークの学テ問題分析・その3(小学校算数)〜

 小学校算数Bは、問題文がやたらと長い。これを正確に読み取って、出題の意図を理解し、解答する力は、算数というより国語力ではないのか。まずは、あなたも実際に問題を解いてみてほしい。

 小学校算数B問題1 
 たかしさんは,買い物に行きました。
(1)品物の代金は320円でした。たかしさんは,100円玉3枚がなかったので,500円玉を出しておつりをもらうことにしました。すると,店員さんから「あと20円ありますか。」とたずねられたので,たかしさんは,500円玉に加えて20円出しました。たかしさんがもらったおつりは,同じ種類の硬貨が2枚でした。下の6種類のうち,たかしさんがもらった硬貨はどれですか。答えを書きましょう。

 
こたえ(     )

 次の日,たかしさんは,お姉さんと買い物に行きました。
(2) 品物の代金は630円でした。たかしさんは,おつりの硬貨の枚数を少なくするために,お金の出し方をくふうして,1000 円札に30円を加えて出そうとしました。すると,お姉さんが「1030円に,あと100円加えたら,おつりの硬貨の枚数がもっと少なくなるよ。」と言いました。たかしさんとお姉さんの出し方では,お姉さんのほうがおつりの硬貨の枚数が少なくなると考えられます。お姉さんの出し方のほうが少なくなると考えられるわけを,2人のおつりの硬貨の種類と枚数を比べて,言葉と数を使って書きましょう。
            

こたえ

 B問題1について
 問題文が長く続くが、解答することは2つ。文章読解力を試している国語の問題のようだ。内容のわかる子には「おもしろい」と思えるかもしれないが、問題の趣旨を読みとれない子が多いと予測する。(1)の答えは選択式なのでまだいいが、(2)は「わけを言葉と数を使って書きましょう」となっている。解答例では式を2つ入れて100字ほどの字数で解答している。算数の解答では、言葉で書くことに慣れていない子どもたちは、そのことだけで苦手意識を持つのではないか。

 B問題2
 段差のちがう二つの跳び箱の問題である。ここにも「わけを言葉と数を使って書きましょう」がでてくる。時間がない中で解いている子は、無記入になる可能性がある。こうした問題は、できる子にとっては面白いかもしれない。しかし、問題を読んでもわけがわからず、意欲を失ってしまう子が多数いることを心配する。

 B問題4
 5年生で既習の家庭科の学習や生活に結びついた問題で、それなりに工夫されている。算数の知識も3年生程度のもので解ける。しかし、算数の学習内容が増え、教科書の内容を進めていくことだけで精一杯の現状では、子どもたちがこの算数の問題を、楽しんで解けるような授業をする余裕は、全くない。