府県間・学校間で点数競争させることが狙いとしか思えない漢字テスト
【国語A】
1 漢字の読み
⑴新しいビルを建築する。
⑵親から独立してくらす。
⑶参加することを許す。
漢字の書き取り
⑴病院でいしゃにみてもらう。
⑵東からたいようがのぼる。
⑶白いぬのを青くそめる。
1は、漢字の読み書きがたった3問だけのテスト。これで何を見るのだろう?昨年との比較のしようもない。子どもに返すというなら、全て網羅している日常のテストでしかできるわけがない。ただ一つ、できるとすれば、府県別・学校別などのランク付け。そして、学力競争をあおることだ。
以下、問題文の引用はスペースをとりすぎるので割愛する。
国立教育政策研究所などのHPで見てほしい
http://www.nier.go.jp/12chousa/12mondai.htm
2、3、4、6、とも国語の学力は発表力だといわんばかりの、「発表」のオンパレード。
4 の音読発表会…音読は実際に声に出して表現できてこそ、評価できる。これではかれるのは、単なる知識。せっかく楽しい笑い話なのに…。
7は新聞作りで、8は慣用句が2問、9は書き順が3問。
結局、どこにも「読む」という基本に関する問題はない。
【国語B】
大問1
ここでも「書く」という「表現」が重視。
二番の敬語問題は、子どもの敬語の実態の課題をまるで無視した問題。とにかく「手紙を書く」ことができることが大事といわんばかり。
三番は、単なる知識。これが活用力だなんて、誰も思わない。せっかく大問1を出したから、ついでにこれも問題に出しておこうということか? どう考えても、A問題。
大問2
中学校学力調査の国語にも、同様な「部活に対する満足度」をテーマにした問題がある。何が狙い?単なる奇跡的偶然?この問題も、インタビューができるという「表現」がまたしても課題。
大問3
雑誌の見開きページを細かい文字で2ページにわたって掲載。問題文に「(記事を)読んで、あとの問いに答えましょう。」と書いてある。この誌面を「まともに読んでから」あとの問いに答えていたら、時間は足らなくなる。テスト慣れした子なら、「問いを読んでから、記事を読む」という活動をするだろう。正直な真面目な子は、ソンをして、テスト慣れした子が得をするだろう。真面目な子が時間切れになったら、問題を出した側の責任が問われる。それとも、「真面目に読んでいたらソンするぞ。テストの受け方はこうだ!」という「テストの受け方『活用力』」を見るのかな?
一番は、まるでクイズみたい。誌面の編集についての「知識」を問うているのか、またはどこに書いてあるか「みつけっこ競争」
三番は、記事を読まずとも、問題文さえ見れば答えられる。「距離」→「何?走るの?」、「マラソンの由来」→「マラソンのはじまり」という具合に、問題文中に答えがあるから、記事は全く要らない。ここでも、真面目に記事を読んでいた子は、馬鹿を見ることになる。
一言付け加えると、ここ大問3でも「部活」が背後に潜んでいる。
やはり物語や説明文などを「読む」問題はどこにもない。なぜ?「表現」に比べれば、「読む」ことなんて些細なことと考えているの?
※ 「テスト後のアンケートで、「時間が足りなかった」と答えた児童・生徒が、小学校国語Aで13%から44%に増えるなど、小学校算数Bを除くすべての分野で増加した。」と報道されている。問題にじっくり取り組む時間を与えないで評価するとすれば、単なるスピード競争で選別をすすめているに過ぎない。