みえ教育ネットワーク

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教育はワンチームで行うもの ~教員評価制度~

県教委交渉報告 その3 教職員評価・30人学級・学力テスト

教育はワンチームで行うもの ~教員評価制度~

 

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 人事評価制度がはじまって4年経ちました。「意欲・能力・組織力の向上が目的。絶対評価なので教職員間に競争を持ち込むものではない。公正・公平な評価が行われるように評価者研修に努めている。E評価はよっぽどのことで、普通はつかない。勤勉手当てはAB同じ、昇給はABC同じ、現状を維持したい」と県教委は説明しますが、油断すればこれが教員管理に悪用されるのではないかと私たちは危惧します。
 
 教育とは教師集団と保護者が力を合わせて取り組むもの。若い先生を敢えてリーダーにして、それをベテランが支えるなど、ワンチームの力が発揮できる工夫を現場はしている。ABが固定化しないように工夫しているというが、本来この制度は教育とは相容れない制度だ。国の方針である以上やむを得ない面は理解するが、今より悪くなるようなことはあってはならないと組合は訴えました。

 

25人下限の撤廃を~30人学級実現~
 私たちは25人下限の撤廃を求め続けてきましたが、撤廃はむずかしいとの回答を今年も県教委はくり返しました。

 三重県の財政力からしてむずかしいことではない。下限があることで30人学級にならない学校ができるという「不平等」が何よりも問題だ。6年生まで少人数学級を拡大している県もある。三重県も拡大の方向で取り組むべきだ。「お金がない」で済まさないでほしいと訴えました。

 信念なのか、それとも役目なのか? 
      ~学力テスト・スタディチェック~

 学力テスト・スタディチェックに関する問題では、県教委学力向上プロジェクトチームとの話し合いをしました。

 私たちは「学調」には以下のような大きな問題があり、即時中止すべきであると考えています。

(1)児童生徒の学力をはかること自体は必要だが、教科が限られていることや、文科省自体が「学力の一部をはかるもの」と述べているように、学力全般をはかるものではない。それなら悉皆調査の必要も毎年実施する必要もなく、何年かに一度、抽出方式で行うだけで十分である。

(2)調査結果が学校に届くのが8月、個票が児童・生徒に返却されるのが9月である。解答用紙も戻らず、問題用紙も保管されているはずもない状態で、○か×だけの「個人票」だけをもとに児童・生徒・保護者に具体的な「課題」や「対策」などが考えられるはずがない。また、一部の学校も教委の指示で、実施後すぐに対象学年の一部の解答をコピーし、採点し、類型別の集計を報告しているが、実際にはその結果を担任や教科担当が分析することなどなく、授業改善にも個別指導にも役立たない無駄な作業となっている。

(3)本来の目的とされているものとは全く違う「順位競争」が年々激化している。とりわけ結果の公表が競争を煽り、教育そのものを大きく歪めている。その結果として、不正行為が行われたり、「学調対策」ともいうべき授業が横行したりしている。

(4)「学調」の結果を意識してか、「授業スタンダード」が横行している。たとえば校内研修で「授業開始時に『目当て(目標)』を、終了時に『まとめ(ふりかえり)』を提示させることを徹底させることなどである。しかし、いきすぎた徹底が「手段」が「目的」に代わってしまっているような本末転倒の事態も多く見受けられる。授業者が児童生徒の興味関心に合わせた創造的な授業の創造の障害になっている場合もある。

2.三重県が実施している「みえスタディ・チェック」についても、私たちは以下のようなさらに大きな問題があると考えます。

(1)問題の中身は、明らかに「学調」の正答率アップのためだけを目的としており、普段の授業で継続的に取り組まなくても事前に似たような問題さえ繰り返しておけば正答率が上がるような問題が目立つ。

(2)「学力向上」「実生活への活用」を目的とするなら国語・算数(数学)に限定するのはおかしい。また、小学校4・5年生と中学校1・2年生を対象としているが、「学調」対策でないというなら明らかに矛盾している。

(3)問題の採点・類型別の報告など、非常に手間のかかる作業をすべて現場にまかせているが、作文形式の解答については、採点者によって〇×、さらに類型別の判定が異なることが多く、集計そのものがほとんど無意味なものとなっている。これは「学調」以上に無責任であり、教師に無駄な労力を押し付けるものとなっている。また、類型別の報告は、採点者が授業者でなければ、「学調」同様、実際の授業改善には全く反映されないし、現実にそうなっている。

 これらの指摘に対し県教委は、学調やスタディチェックの実施により「子どもたちの『つまずき』に気づき、克服の手立てを考える」「可能性や生きる力をはぐくむ」「やればできるという思いを持たせ自己肯定感を高める」など抽象的な回答に終始しました。

 組合は「スタディチェックの出題形式が全国学力テストの形式と酷似しているのはなぜか?まさに学力テスト対策ではないか?」「違うというなら、なぜ問題の形式を同じにする必要があるのか?」と迫りましたが、まともな回答は得られませんでした。

                                   以上