みえ教育ネットワーク

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わずか1点のあいだにいくつもの県がひしめき合っている、これが学力テストの実態です

   6月5日付の朝日新聞に紹介されたグラフです。「わずか1ポイントの間にいくつもの県がひしめき合い、小数点以下のわずかな差で順位が変動」と記事は書いています。

 点数で見ればほとんど差がなくても、1位から47位まで順位をつけることで、競争が起きます。ほんのわずかな差に一喜一憂し「ウチは○○県より上だ」「△△県に負けるな」「全国ベスト3をめざせ」「せめて平均ぐらいには」などと騒ぐのは馬鹿げています。「競争をあおり教育をゆがめる学力テストの中止」・・・私たちは街頭で市民に訴えましたが、こういうわかりやすいグラフが必要だったなあと思います。以下、朝日新聞より引用します。

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  学力調査の順位、騒ぎすぎ?
     ほぼ横並び、3ポイントの間にひしめく 
          教諭がグラフ化
  

 2014年6月5日朝日新聞より

 都道府県別や学校別などの成績(平均正答率)の順位が話題になることが多い全国学力調査。実際、どのくらいの差があるのか。疑問に感じた岡山市立中学校の教員が、昨年の都道府県別の成績をグラフに描いてみた。その結果は――。

  岡山市立岡山中央中学校で理科を担当する三木淳男教諭(54)。昨年8月に発表された公立校の都道府県別の成績の一覧表を新聞で見て、思った。「数字だけでは都道府県ごとの違いがイメージしにくい」。そこで、都道府県別の中学国語のうち基礎知識をみるA問題の成績を一つひとつ、方眼紙に落としてみた。

  全国平均は76・4%。上位5県と下位5府県を除く37都道府県は、わずか3ポイントの間にひしめき、完成したグラフでは黒点はほぼ横並びに見えた。それでも「国語Aは差がつきにくいのかもしれない」と考え、数学A、さらには両教科の応用力を試すB問題も続けてグラフに描いてみた。

  その結果、国語Aよりばらつきはあったものの、大差はなかったという。


 「わずか1ポイントの間にいくつもの県がひしめき合い、小数点以下のわずかな差で順位が変動していた」と三木教諭。そのうえで「結果に一喜一憂するより、『こう教えたら子どもが理解してくれた』『意欲的に取り組んでくれた』という地道な努力を続け、すべての子どもの学力を高めていくことが大事ではないか」と話している。


 全国学力調査は、小学6年生と中学3年生が対象。昨年は国公私立の計約219万人が参加し、公立小学校の平均正答率が全国平均より5ポイント超低い都道府県が初めてゼロになり、中学校でも数が減った。(斉藤純江)
 

■生徒間の格差に目向けるべきだ
 佐藤学学習院大教授(教育学)の話 多くの県はわずかな差の中におさまっている。都道府県別の結果においては、日本は平等な教育が実現していると言える。その順位に一喜一憂するのは愚かなことだ。

  むしろ目を向けるべきは、学校間格差や生徒間の学力格差だ。格差克服のため、どのような学校が学力向上を実現しているのか分析し、低学力の地域や子どもたちに財源や人員を手厚くする。学力調査はそのための指標として利用するべきだ。競争による統制の手段に使っても学力向上にはつながらないだろう。