大阪府議会は、6 月3 日、「大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員による国歌の斉唱に関する条例」を「大阪維新の会」などの賛成多数により強行可決しました。教職員に「君が代」起立・斉唱を強制する条例は全国ではじめてです。1999年「国旗・国歌法」が強行成立したときでさえ、国旗・国歌の義務付けや尊重規定を設けることは適当でない旨の政府答弁が国会で行われ、法律に国旗・国歌の尊重を義務付ける規定が盛り込まれませんでした。
2004年の園遊会で天皇が君が代は強制的でないことが望ましいと述べたことは有名です。
そもそも「君が代」の起立・斉唱を強制することは、この問題にさまざまな思いを持つ人の心を踏みにじる行為であり、公務員であるからといってそれを強要できるものではありません。橋下知事は「社会常識の問題」「ルールを守れないものは辞めてもらう」などと問題をすり替えながら、大阪維新の会に、そのマニフェストにもなかった内容の条例を突如として提案させました。
そして、9月府議会には「3回不起立で懲戒免職」などとする教職員への処分や解雇を義務づける条例案を提出しようとしています。しかも「不起立者の実名公表」までも検討すると・・・。このように不起立の教職員に対する「犯罪者」的な扱いと「処罰」は、子どもたちの心を傷つけ、事がらが正しいのか誤っているのかの判断を行わず、意に反してでも権力者に逆らわない子どもたちを育てることにつながります。