子どもたちに生きる希望を
〜どの子も見捨てず,人間を信頼する教育を〜
和歌山大学講師・大阪大学講師 土佐いく子 さん
みえ教育ネットワークは来る2月9日(土)「2013春を呼ぶ!みえ教育ネットワーク教育研究集会」を行います。記念講演をしていただく土佐いく子さんをご紹介します。
10時すぎまで、おかあさんが家に帰ってけぇへん
何人かの人が、汗をふくタオルの行く先が、目元になった
・・・・冷房の効いていない蒸し暑い体育館で講演会はもう始まっていた。400人近くの人が彼女の話に耳を傾けていた。空いている席を探し、ひとまず座った。今朝も早かったし、この数日寝不足だし、ちょっとだけ寝ちゃおうと思い目を閉じた。
話しているのは“土佐いく子”先生。ベタベタの関西弁が体育館に響いていた。
「明日に生きるこどもたちを信じて〜子どもたちの心の声が聞こえますか〜」というテーマを彼女の推奨する子どもたちの「作文」を基に講演していた。関西人ならではのお笑いセンスに思わず目をあけ、資料に目を通した。この3月まで教壇に立ち、今は大学の講師と、小学校での専門員として活躍されているらしい。
子どもが書いた作文を例にあげ、話はすすんでいった。文章として上手いとかいうよりも、書いた子どもの息づかいが聞こえてきそうな、リアリティのある作文が多かった。
「こんなこと書いた子もおりましたぁ。資料には書いてませんで・・・」と手元の原稿を読み上げた。
「昨日、8ヶ月の妹が泣き止まなかった。ミルクの作り方がわからへんかったし、ずっと抱いていた。抱いてたら、10時ころやっと寝た。寝たから布団におろしたら、また泣き出した。背中をずーとトントンしてやった。」
何人かの人が、汗をふくタオルの行く先が、目元になった。
「こんな子もおりますねん。8ヶ月の赤ん坊がいても、10時すぎまで、おかあさんが家に帰ってけぇへん、いや帰れへん家があるねんな。この子、よぉ、がんばってましたわ」
鼻をすする音があちこちから聞こえた。私も慌てて、ハンカチを探そうとバッグの中に手をつっこんだ・・・・。
(東京の学童保育研究集会での土佐いく子さんの講演・感想より)
「2013年春を呼ぶ!みえ教育ネットワーク教育研究集会」
と き 2013年2月9日(土) 10:00〜16:15
ところ 四日市勤労者市民交流センター3階大会議室
土佐いく子さんの記念講演は10:30〜12:00、入場無料、どなたも参加できます。