みえ教育ネットワーク

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中体連に物申す! 部活問題の解決を目指して

 

中体連に物申す! ―部活問題の解決を目指してー

昨年末、中体連と現場教員との懇談の機会がありました。以下は懇談に参加した組合員による報告です。

部活は本当に正義か?

 

 高校勤務のとき、部活こそが正義であるかのように幾度となく聞かされてきました。

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「授業なんてどうでもいい。授業時間50分のうち40分を雑談に費やせばいい」という言葉が教員の口から次々と発せられ、「そうだ!そうだ!」と大笑いする教員で職員室は溢れていました。

「学校を何をするところと思っているのか」という怒りから、勇気を出して「部活ばかりでおかしい!」と言ったこともありますが、返ってきたのは「は?お前、何言ってんの?」と言わんばかりの反応ばかりでした。

  病に倒れた教員が「土日の部活はできません」と申し出た際も、「あの先生、土日の部活はできないって言ったらしいよ。あり得ないでしょ」と話してきた方もいました。部活顧問業務は各教員に強要されていますが、これはあくまで違法労働であり、「やりません」は当然の権利です。

 しかし、教員にありがちな「みんなで苦しみを分け合って乗り越えるべき」という考えのもと、断った者は悪者のようにされがちです。違法労働でも受け入れるべきであるというのはその人自身が納得している考え方であって、他教員も違法労働に耐えるのが当然というのはおかしな考え方なのです。部活問題に苦しむ教員は少なくありませんし、そのような方々が救われるようでなければいけません。

いざ、中体連へ!

 2021年12月27日、部活問題をなんとかしたいと考える、全国から集まった同志たちで中体連等を訪れ、部活の過熱化の原因となっている全中の廃止について申し入れを行いました。中学部活のあり方は確実に高校部活にも影響を与えることから、中高双方にとって意味のあることだと思っています。

 中体連との懇談によってわかったことがいろいろとありました。まず、全国大会の参加資格についてです。スポーツ庁・中体連ともに、現在は学校単位とされている参加資格を学校以外に広げることには前向きな姿勢を示しています。

 ただ、どこまで広げるべきかという点については両者に温度差があるようで、学校との連携が取りやすいとの理由から、中体連は総合型地域スポーツクラブを中心に考えているのに対し、スポーツ庁は、民間のスポーツクラブも視野に入れて検討しているようです。

 次に全中廃止は到底受け入れられない考えと思っていましたが、意外にも廃止を含めたあらゆる可能性が中体連で検討されているとのことでした。

 全国大会開催地の負担については、大会規模が大きくなるほど開催地で賄いきれない負担が増えることから、教員が地元企業等から協賛金を募る事態になっているそうです。滅多に開催地になることがないからと、立派な大会にしようとするほど負担が大きくなるのです。

 最後に教員が審判講習を受けさせられている問題については、中体連は関与していないとのことです。昔は相互審判の精神で教員同士で審判をしていましたが、部活の過熱化や少子化に伴い、保護者までもが熱狂するようになった結果、審判の仕方にクレームがつくようになり、変化が生じてきたということです。そもそも大会運営全般について、中体連本部が細かく指示をすることはないとのことです。

部活春闘

 同日、参加者たちによって「全国部活動問題エンパワメント」が結成され、部活問題を解決するための取り組みについても意見交換がされました。その1つが各教育委員会への請願です。

 教育ネットでも部活顧問等の委嘱や強制入部についてあり方の見直しを求める請願を県教委に行いましたが、そのように部活関連の請願を教育委員たちに審議してもらうのです。

そしてもう1つが「部活春闘」です。春闘の時期になれば、部活があろうとも「定時出退勤」「休憩完全取得」を貫き、法に則った働き方をします。「今は部活春闘中」ということがわかりやすいように「部活春闘グッズ」を作って職員室の自席に置くようにしてみたり、それをSNS等で拡散してみたりすると、改革の機運の高まりに繋がるのではないでしょうか。