朝日新聞の記事です。お読みください。私たちが日々現場で感じていることが、書かれています。
文科省は去年から始まった小1=30人学級を今年から小2に拡げました。みえ教育ネットワークは30人学級の全学年での早急な実施を求めています。
40人規模、やっぱり窮屈 教室の風景比べて浮き彫り
【朝日新聞 2012年5月3日付より】
20、30、40人学級の教室の実際の風景を比べてみたい。そう考えた国立教育政策研究所(国研)の少人数学級・少人数指導の研究グループが、関東地方の小学校で学級規模の違う教室の半日をビデオに収め、写真資料にまとめた。
撮影を考えるヒントになったのは、東京都内の小学校の朝から夜までの一日を追いかけた絵本だ。教室のざわめきや子どもの動きが伝わってくる。
絵本を本屋で見つけたとき、「これだ、と思った」と山森光陽主任研究官。
これまで、少人数学級や少人数指導の効果を「数字」で追い求めてきた。テストの点数、不登校の子どもの数、出席日数の変化……。「もっと違う視点で考える素材はないか」。学級の規模を論じるとき、現実の教室の風景をどこまで踏まえているのかと感じることもあった。
昨年11、12月、四つの小学校で撮影。2、4、6学年で、それぞれ20人、30人、40人程度のクラスを選び、計9学級の様子をビデオに収めた。
朝学活・朝の会▽1校時▽5分休み▽2校時▽休み時間▽3校時▽4校時▽4校時の終わった直後――などに撮影し、1教室あたり19場面をビデオから写真として切り出した。
見比べてみると――。
《4年生の国語の時間》 21人のクラスでは、教室の前後左右に空間がある。30人だと背後は空くが、41人になると、左右にゆとりがないうえ、最後列の子どもの机が壁につきそうになっている。机の間を通る教員も指導しにくいように見える。
《6年生の書写の時間》
22人のクラスだと、床に長半紙を広げて書く余裕がある。30人になると、机の上で普通の半紙に書くのがやっとのようだ。
6年の22人学級の書写↓
《6年生のテスト》
22人のクラスだと、児童一人ひとりの机がぐっと離れ、隣の答案用紙が見えないようにできる。
研究班が写真を分析したところ、(1)20、30人規模ではクラス全体を一目で把握できるが、40人規模だと難しい(2)20人規模の学級だと、シーンと静まる瞬間があるのに対し、40人規模だとずっとカサコソと音がしている――といった状況がよくわかったという。
研究班は4月、文部科学省の有識者会議の場で写真資料を発表し、研究成果を報告した。
次の研究課題に挙がっているのは、学級規模別にみた「教室の音」の比較だという。
(編集委員・氏岡真弓)