みえ教育ネットワーク

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「地域の学校なくさないで」と保護者や住民の声

  3つの小学校と1つの中学校を統合して小中一貫教育
     「地域の学校なくさないで」と保護者や住民の声
 

  名張市では2016年2月、小中学校の統廃合と小中一貫校の新設などの計画が突然発表されました。「過疎でもないのになんでわざわざ統合する必要があるの?」など、疑問の声があがっています。新婦人しんぶん2016年9月29日号が地元名張の様子を詳しく報じています。以下、引用します。
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 こんな計画だれが決めたの!?
  「小中一貫校 20年度から5中学校区で 小中5校を廃校へ 名張市」(毎日新聞 2月18日付)。新聞報道で市民や保護者、先生たちは初めて知ってびっくり。3月からの市教育委員会の住民説明会は、どこの会場も入りきれないくらい集まりました。

  「近くに学校があるのに歩いて1時間以上かかる学校に行けなんて」 「小中一貫? 4・5制で5年生から高校の校舎・・・?」と、不安や疑問の声が噴出しました。

  市の計画は、2020年をめどに全小中学校を 小中一貫校にするもの。市の中心部、桔梗が丘地域では3小学校と1つの中学校を統合し「4・5制」の小中一貫校をつくる。小学1年生から4年生までは、統合するうちのひとつの小学校へ、5年生から中学3年生は、老朽化などを理由に2年後に閉校予定の名張桔梗丘高校の校舎を活用するというもの(図左上)。

   他の地域でも、全学年がそれぞれ1学級になった小学校を、別の小学校統合し、廃校に。これらに伴って校区を再編成する内容。子どもから地域の学校をうばう計画です。

 子どもや保護者・住民の意見を
  「子どもが通う桔梗が丘小は全校児童500人弱、全学年3クラスで、統廃合の対象になるなんて思ってもいませんでした」と言うのは、2年生と3歳の子どもがいる会員のTさん。「説明会なんて。もう決まったことなの?と思った」とも言います。

  新婦人名張支部ではさっそく教育長に懇談を申し入れ、4月20日桔梗が丘地域のお母さん2人を含め7入で、教育長ら4人と懇談しました。
子どもにとっても、保護者、教職員にとってもメリットがない計画で、到底納得できない。保護者や地域住民の意見を取り入れ、柔軟に対応してほしい」と要望しました。

  市議会議員の三原淳子さんは会員でもあります。 「市は、国の言いなりで、
学校統廃合の流れに乗って、学校が地域の拠点になっていることや子どもが地域の人に見守られ育っていることをないがしろにしています。″3世代が通った学校。学校をなくしたら若い人は帰ってこない″″歩いて行けるところに学校があるから、地域の寄り合いができる″と切実な声が日々よせられる」と話します。

  圧倒的に反対 
  この統廃合計画に対して、保護者や地域住民から見直しを求める声が広がり、運動に立ち上がっています。

 住民説明会などで知り合った桔梗が丘地域の3つの小学校のお母さんたちが中心になって「統廃合を考える保護者の会」をつくり、″しんぶん″を5号まで発行。「統廃合についてのアンケート」900枚を地域にポスティング、2つの市民センターに置いた回収ボックスに3日間で100通戻り、そのうち97通は市の計画に反対でした。

 「先に統廃合された地区では、保護者が車で送迎している。同じようになるでは」 「子どもたちは将棋の駒ではありません!」「正直、桔梗が丘に家を建てたことを後悔する」など、ほとんどの用紙が思いや要望で埋められていました。

 「私は南小学校が大好きなのでなくなってほしくないです。165号線を渡ることになると、一年生などの低学年が飛び出してあぶないことになったのを見たことがあり、国道では事故が多発し、後からやめておけばよかったと後悔するはず・・・(略)」(5年 女子)と小学生からも。

  9月3日にはお母さんたちの要望で、「市長まちかどトーク」が実現。小、中学校の保護者やPTA会長、登下校の見守りボランティア、乳幼児を抱っこし人など、60人を超えて参加しました。「学校の統廃合は住みやすさをめざす市の方針に逆行している」「問題があるから制度を変えるというなら、どんな問題なのか」「住民の意見を聞く気持ちがないのでは」と発言が相次ぎましたが、市長は 「最終的には私が判断する。今は私の意見を言う段階ではない」と、まともに答えようとしませんでした。


  「まずは市長に実際の通学路を歩いてもらおう」とお母さんたち。20人の市議会議員1人ひとりに直接声を届けようと計画中です。
 地域全体の問題として桔梗が丘自治連合協議会(町内会)は、5月に住民の
意見・要望を集約し、「桔梗が丘地域の3小学校を統廃合せず当面現状維持」など全24ページの「提言書」をつくり、全戸に配布。市と市教委に提出し、回答を求めています。

  新婦人名張支部長の内橋晃子さんは「小中学校すべてでやっと昨年耐震化が終わった。統廃合の対象にならない1学年2、3クラスある学校まで廃校して、小中一貫校をつくろうとしている。市独自に先生を加配し少人数クラスにしているところもあり、みんな満足している。なぜ今のままではいけないのか。関心が高く、地域のだれとでも話が広がります」と言います。町ぐるみの運動が続きます。     (新婦人しんぶん2016年9月29日号より)
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   みえ労連は10月11日〜21日、「第12回みえ労連自治体キャラバン」に取り組み、各自治体当局や自治体病院教育委員会と懇談をします。教育委員会との懇談では、学校統廃合や小中一貫教育、学力テスト、教員の多忙化解消(特に中学校の部活動)、道徳の教科化などの問題で、各教育委員会との意見交換が期待されます。