みえ教育ネットワーク

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毎日新聞社説 「学力テスト 今後に生かしてこそ」

 みえ教育ネットワークは学力テストに反対する街頭宣伝を四日市(3月24日)と津(4月16日)で行いました。私たちが反対する理由は2月27日〜3月7日にかけて、当ブログに書いたとおりですが、4月23日の毎日新聞の「社説」は私たちの思いと共通する部分が多く興味深いです。以下紹介します。

 なお、テスト問題は下記のサイトで見られます
国立教育政策研究所「平成24年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料について」 http://www.nier.go.jp/12chousa/12chousa.htm

 毎日新聞社説 「学力テスト 今後に生かしてこそ」
 毎日新聞WEB版 2012年04月23日

<問題は、そうした実施率の高さに気をよくすることにあるのではなく、それが、どんな教育的効果をあげるものであるか、またあげてきたか、ということであろう。そうした点からみると、残念ながら、学力調査はなお必要なのだろうか、といった疑念がわくのである>

 1966年の全国学力テストで毎日新聞社説は書いた。テストは同年で打ち切られた。既に半世紀近いが、この疑念は過去形にならない。

 小学6年生と中学3年生が受ける今年度の全国学力テストが先週行われた。昨年は東日本大震災で中止になり、2年ぶりの実施だ。文部科学省が抽出し、結果分析をするのは3割の学校だが、自主参加の学校も増え、全体の参加率は前回(2010年度)を上回り、8割を超えた。今回は国語、数学(算数)に加え理科のテストをした。問題は公表されているが、暗記知識を試すのではなく、領域を重ねて観察力や理解力をみるなど、工夫されている。それは07年度の学力テスト再開以来続いているが、問題はそれが具体的にどう子供たちの学力や先生の指導の改善に結びついていくのか、なかなかみえないところにある。

 66年の社説はいう。
<毎年公表される調査結果の報告をみても、細部はともかく、大筋はいつも同じ結論が繰り返されているに過ぎない。とくに、学力の総体的評価について「総合的判断力や応用力が不十分」とか「総合的考察や論理的思考の面で問題がある」といった指摘が繰り返されているのは、どうしたわけか

 現行テストも同様だ。応用や記述力の不十分さは毎回指摘される。それで、どうするかが肝心なのだ。 学力低下論や、国際学習到達度調査(PISA)で日本の順位が下がったことをきっかけに再開された現行テストは、当初、一人一人の児童生徒の課題を見いだし、指導に生かすことを理由に全員調査(悉皆(しっかい)調査)にした。だが、結局地域や学校の正答率順位に関心が偏り、公表の是非をめぐっても対立が起きた。「事業仕分け」で文科省は学力調査を10年度から抽出方式に切り替えたが、数年おきに全員対象の調査も残し、来年度がその予定だ。だが、巨費をかけて毎回同様の課題を見いだすのでは心もとない。結果の生かし方は教育委員会や学校現場がそれぞれ工夫して、というのが建前だが、先生たちは忙しい。学力課題をつかむには抽出調査で足る。毎年の必要はないと言う専門家もいる。既に課題は明らかだ。その改善に具体的にどう取り組み、成果を積み上げていくかに直結させなければ、テストの意味はない