みえ教育ネットワーク

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みえ教育ネットワーク教研集会が開催

 みえ教育ネットワーク教研集会が2月16日(日)、河芸公民館で開催されました。 

 今回記念講演にお招きしたのはすずかこどもクリニック院長の渡辺正博先生
 先生は「長時間のメディア接触が子どもに与える影響」について、たくさんの資料・グラフをパワーポイントで映しながら分かりやすく話されました。以下講演要旨です。
          
 

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  中学生の8割、小学生の3割が・・・

 小学校からICT機器が積極的に導入され、電子黒板や一人1台パソコンが配備されるようになってきました。パソコン先進国の韓国では、電子黒板などもうとっくに使ってないそうです。しかも、パソコンは4、5年でモデルが古くなるので、その都度新しく買い替えていくとなると、莫大なお金が必要になり、財政的に行き詰まってくるのは簡単に予想ができます。(国は企業からの要望をうけて動いているのか?)

 しかし、それに呼応するように、近年のスマホ利用率も、中学生では8割、小学生では3割と高い数値を示しています。乳幼児から毎日2時間以上もスマホを利用している実態が報告されました。生後11か月でiPhoneを使いこなしている現実があるそうです。渡辺先生は、日本小児科医会で『スマホに子守りをさせないで!』というポスターをつくり、警鐘を鳴らしてきました。
 
スマホ8つの大罪
 長時間のスマホタブレットの使用は、液晶画面から出るブルーライトの影響は大きいと思います。「光のエネルギーは距離の2乗に反比例する」と言われており、テレビに比べると画面の小さいスマホタブレットの画面に顔を近づけて見ることで、様々な悪影響を与えることを資料から示されました。

①視力の低下(1.0以下の子どもの増加)

②寝つきが悪くなる。(睡眠障害

③急性内斜視が増えている。

④体力の低下(体力テスト、50メートル走、立ち幅跳びソフトボール投げなどいずれも低下している。)

⑤学力の低下(学調の結果と生活習慣との相関性)
・テレビを見るほど   
・ゲームをするほど
・毎日の会話が少ないほど
・朝食をとらないほど
・自然の中で遊ばないほど
・読書をしないほど
  →学力低下の傾向が大きい。

⑥脳への悪影響(ゲーム脳
・人間の理性をつかさどる前頭前野の働きが低下し、他人の痛みを感じる中枢が鈍くなり、攻撃的になる。
・言語中枢に悪影響を及ぼし、発達の遅れが見られる。
・薬物依存と同じ状態になる。
 その結果、やめようと思っても、やめられない。やめさせようとすると、イライラする。ゲームのやりすぎを注意した親に暴力をふるい、殺す事件まで発生する。

⑦ストレートネック・・・長時間のスマホの視聴は前かがみになり、猫背になる。慢性的な頭痛や肩こりが起きる。

⑧SNSの問題・・・どこでもだれでも犯罪に巻き込まれる可能性がある危険な状況
LINEによるトラブルやいじめ
Tik Tokの危険性
→自分の顔が動画で配信されること。

 これらのツールは、ネット上で見知らぬ人とのつながりが容易にできるということである。「神待ち」という言葉があるが、家出をした少女が、寝場所を見つけるためにネット上にあげると、すぐに返信が来て監禁される事件に巻き込まれる事件がある。
 
手放しの状態は危険
 以上のように、問題をあげればきりがないほどです。 こうしたスマホの普及に対して、国は、何の規制をすることもなく手放しの状態です。その背景には、一部のエリートと多数の物言わぬ労働者を生み出そうとする国策により、容認しているのかも・・・?

 格差社会の現在、教育格差の深刻な実態があります。大人がスマホ依存・ゲーム障害に陥るのはある意味自己責任という面もありますが、生後間もない乳幼児や子どもたちがそれらにどっぷりとつかってしまうのは、大きな問題であり、それは大人たちの責任です。
 
スマホ依存からの脱却
 おとなたちは安易にスマホタブレットを子守り代わりに与えるのではなくて、親子で同じ目線で共有できる絵本の読み聞かせや自然の中での遊びや直接体験をする、身体を使うことなど、体力はもちろん豊かな感性を養うことができるのです。もうすでに手遅れということはありません。できるところから少しずつ始めましょう。

 スマホ依存に近い状況にある子どもから、スマホタブレット、ゲームをすべて取り上げるのは絶対にしてはいけないことです。時間を決める、しない日を決めるなど使い方やルールをきめることから始めて、最終的には、自分で自制できるようにしていきたいものです。そのためにも、医療機関も含めた様々な相談機関にかかることも大切です。

 文化行事はキャラメルベリーさんをお招きしました。

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 普段は、音楽療法士として働きながら、二人でバンドを組んで演奏活動をしています。
 アコースティックギター2本で、透き通る伸びのある歌声を聴かせてもらいました。曲目は、「竹田の子守唄」「イエスタデー」「レットイットビー」「スタンドバイミー」の4曲でした。時間があればもっと聞きたくなるような素敵なオープニング演奏でした。
                               (文責 M)