みえ教育ネットワーク

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県の言いなりにはならない

 スタディチェックに市町教委から批判の声〜
  全国学力テストの三重県版・みえスタディ・チェック

              
 ↑写真はイメージです

  昨年度、予算計上され今年度より実施となった「みえスタディ・チェック」。実施要綱には、その目的として、

(1)児童生徒一人ひとりが、自らの学習状況を把握することにより、学習の見通しや目標を立て、主体的に学習に取り組み意欲を育む。

(2)三重の子どもたちの学ぶ意欲の向上と活用力の育成に向けて、各学校が、学期ごとに児童生徒の状況をきめ細かく把握し、授業改善及び個に応じたきめ細かな指導につなげる。
と掲げられています。はたして、この目的に合致しているのでしょうか。

  5月2日に実施要項が提示され、その後、教育委員会への説明会や指導主事を集めての学習会が行われました。また、全職員向けにカラー刷りのリーフレットも配布されました。そして、7月に1回目(試行)、2学期に2回目(正式実施)が行われました。3学期には3回目が予定されています。

*内容は、全国学力テストのB問題とそっくり。

  県は、指導要領で明示されている活用力(思考・判断・表現)に焦点を当て、テストを通じて課題をチェックし、授業づくりの参考になるワークシートなどを発信していきたいとしています。県の言う活用力とは、すなわち全国学力テストのB問題ということで、全国学力テストもスタディ・チェックも指導要領にのっとってやっているから似たようなものになるのはしかたがないと弁明しています。また、問題は中央図書企画という業者に委託しています。

 中学校では1回目も2回目も期末テストの時期に重なるところが多く、生徒や教師に大きな負担となっています。

 普段の授業内容とはまったく違い、しかも長文の問題が多いテストをやらされたら、ただでさえ期末テストの勉強に追われて頭がいっぱいの子どもが、これでは学習意欲が低下し、自分はできないんだという自己否定につながりかねません。
 

*何もかも職員任せで、過重労働に拍車。

  このテストは、県からメールで問題用紙が送られ、各校で印刷、採点、結果報告までやらなければなりません。採点は各設問について〇か×かだけでなく、間違いはどの点にあるのかの類型を打ちこまなくてはなりません。学期末は、テスト作成、採点、成績付け、通知表作成と息つく暇もない忙しさです。すべて入力して提出締切が12月26日(2回目の場合)です。いつ休息をとれというのでしょうか。

*テスト結果報告→公開を前提としていないが、場合により否定できない

  テスト結果は、すべて県に報告することになっています。県は、設問ごとに県全体では何%正解かを集計し、類型によってワークシートに反映させたいとしています。また、学校・家庭・地域が同じスタートラインに立つためには、情報を共有しなければならないとも言っています。課題は何かを共有しともに努力することは大切ですが、学力テストのように数字だけがひとり歩きするのは目に見えています。

*県の言いなりにはならない

  このように問題の多いスタディ・チェックに対して、現場から批判の声が上がっています。北勢地方のA市では3学期に理科だけ参加する予定でしたが、県教委が「全部やらないならパスワードは送信できない」というので、結局実施しないことになりました。中勢地方のB市ではすでに2学期の段階からスタディチェックには参加していません。

 また南勢地方のC町教委は「CRTのテストを小3以上の学年で実施している。さらにスタディーチェックを実施するのは困難で、ホームページに問題だけ示して自由に使えるようにすべきだ。」と言っており、D町教委は「スタディチェックは、学力向上について県がはじめて打ってきた施策なので活用する。しかし県への結果報告はしない。」と言っています。

  国の財務省が、40人学級への逆戻りを言い出しました。「35人学級は教育的効果がない。40人学級に戻せば4000人の教職員が減り、86億円が削減できる」との主張です。

  しかし少人数学級を求める国民の声に押され、撤回しました。限られた予算の中で、何にお金を使うのか、目先の成果や結果ではなく、子どもたち一人ひとりがいきいきと楽しく学べる環境を作るためにお金を使わせるよう、私たち自身が声を上げ、変えさせていくことが求められているのではないでしょうか。     (H)

  来る2月7日(土)河芸公民館で行われる「2015春を呼ぶ!みえ教育ネットワーク教育研究集会」の午後の第3分科会「学テ体制とみえスタディ・チェック 」では、実際の問題も資料としながらスタディ・チェックについてみんなで考えます。ぜひご参加下さい。