みえ教育ネットワーク

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一斉休校がもたらした学校現場の混乱を告発

一斉休校がもたらした学校現場の混乱を告発

  8月16日みえ教職員懇話会総会

              

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 8月16日(日)みえ教職員懇話会の総会がありました。総会に先立って「コロナ禍の学校、コロナ後の学校」と題して現場からの報告を聞きました。

 

 

現職高校教員のNさんの報告はリアルでした。

 「2月27日(木)、全国一斉休校の第1報が入った。学年末試験はどうするの?成績はどうするの?そんな話し合い一切なしで、3月2日(月)から休校に入った。しかたがないから成績は2学期までの内容で付けた。

 

 3月だけかと思った休校が、4月に入っても、5月になっても続く。大変だったのは教務係の先生。臨時の時間割を4回も作り替えたという。入学式は新入生と保護者のみ。一日登校しただけで、翌々日からはずっと休校。

 

 5月連休明けからは「オンラインホームルーム」や「オンライン授業」が始まった。県教委が手配して、生徒全員のグーグルIDを取った。はじめてオンライン授業をした。私は世界史だが、50分は無理と考え、30分の授業を計画した。でもたった30分の授業のためにパワーポイントなどで4,5時間の準備を費やした。

 

 5月第4週からは分散登校、そして6月からは通常登校。マスク、手洗い、消毒、体温測定・・・上からは細かい指示がおりてくる。

 7月になって暑くなると、生徒はマスクを外してしまう。でも教師はがまんして、ひたすらマスク着用。感染者を出してはいけないと、びくびくする毎日だった。

 やっと夏休みに入ったと思うのも束の間、8月19日から早いところでは授業が再開される。この暑さの中で完璧な予防は果たしてできるのか、正直なところ半ばあきらめ開き直っている。」    

 

 他に、小中学校、学童保育関係者からの報告がありました。

 

 あとの話し合いでは、「3月27日に一斉休校要請の安倍発言を聞いて、戦時中を想起し、息が詰まる思いがした。その後の安倍内閣のコロナ対策は非科学的で矛盾だらけ、不公平で人権無視。コロナ禍というが、これは安倍内閣による人災だと思った。

 

 一斉休校という恐るべき事態を教師はどう受け止めたのか、生徒はどう受け止めたのか、記録に残し検証しなければならないと思う」(Mさん)、「私たち新婦人の会は、一斉休校、学校再開など、その都度教育委員会に現場の声を伝え、要望書を提出した。

 感染者出ていないのになぜ休校するの?という問いに市教委はまともに答えられなかった。学力テストは中止になったのに、みえスタディチェックは7月22日に実施した。四日市市教委は少人数学級ではなく、1億円もかけて生徒全員にタブレットを与えるというが、おかしいと思う。」(Kさん)などの発言が相次ぎました。

 

 引き続き行われた総会では、総括と方針をT Uさんが提案し、会計報告や人事案を含め、拍手で採択されました。

 

 

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みえ教職員懇話会とは・・・

 みえ教職員懇話会は三重県の教育の民主的発展を願う教職員(現職・OB)が集まってつくったゆるやかな懇話会です。学習会、シンポジウム、県教育委員会との懇談などに取り組んでいます。2008年結成。 

連絡先;TU  059-225-4635 

少人数学級の実現求めて三重県キャラバン実施  7月11日(土)

少人数学級の実現求めて三重県キャラバン実施  7月11日(土)

 「30人学級とゆきとどいた教育を求める会」「みえ教職員懇話会」「みえ教育ネットワーク」からなる実行委員会が毎年行っているキャラバン。梅雨の真っただ中でしたが、幸い雨に降られることもなく、12:00津駅前⇒14:00鈴鹿ハンター前⇒16:00四日市駅西アピタ前と宣伝カーを移動しながら、チラシ配布と署名活動を行いました。写真で報告します。

 

四日市会場>

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鈴鹿会場> 

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  マイク宣伝では、「このままではコロナ感染拡大に対応できない」と全国知事会などが少人数学級を文科省に要望したこと、また、私たちの要望が実り、一部の県立高校では30人学級や35人学級が実現すること、小中学校でも早急に少人数学級を実現してほしいと訴えました。

 

 子ども連れのパパ・ママや、若い人の関心が高く、3会場で署名135筆が集まりました。参加者はのべ29人でした。

 

3ヶ月近くの休校が明けた学校は今・・・ コロナの心配を抱えながら、 新たな課題に立ち向かう教師たち


みえ教育ネットワークは「ZOOM」で会議をしました  

3ヶ月近くの休校が明けた学校は今・・・
   コロナの心配を抱えながら、
    新たな課題に立ち向かう教師たち

 

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 5月16日、みえ教育ネットワークは、定例の運営委員会を、はじめてZOOMを使って行いました。休校が続く中、非常勤講師など職場の非正規労働者の給与補償が行われているかなど、対面での会議と変わらぬ真剣な議論が行われました。

 全国学力テストは中止になったのに、三重県教委は「スタディチェック(三重県版学力テスト)」を各学校に送りつけてきました。私たちは「こんな時にまだやるっちゅうんか」という怒りの声を届けながら、4月23日に県教委にスタディチェック中止を申し入れました。

 

 その後、担当者に問い合わせた結果、「実施は一部の学校に限定。採点は業者委託」との回答を得ました。「全員に実施し、テスト実施後すぐ教師が採点することで、子どものつまずきが見えてくる」という従来の論調に変化が見られます。

 

 「現場の負担軽減を」という私たちの主張が一定反映されたものと評価しますが、新型コロナで3ヶ月も授業ができないという状況の中で、それでもスタディチェックにこだわる姿勢は「優先順位を間違えていないか」との疑問を感じます。この問題は秋の県教委交渉に向けて、徹底的な検証が必要です。

 さて、緊急事態宣言が解除され、三重県内の学校では5月18日から分散登6月1日から平常授業、というところがほとんどです。そんな現場からのリポートです。

 

「音楽」歌わない、「体育」大声出さない 「行事」中止・延期
                       Nさん(特別支援学校)
 休校3か月目の5月に入り、学校での見守りを利用する児童生徒が増え、多い日は4分の1程度の利用者がいました。登校しない生徒のためにリモートの朝の会を実施、ネット環境がない家庭には県からタブレットの貸し出しもありました。

 

 5月18日からの2週間は分散登校で、火曜日が小学部、水曜日が中学部、木曜日が高等部の登校日でした。授業をガッツリするクラス、見守りの日と同じようにのんびりするクラス、それぞれ過ごしました。

 

 給食の時間は、ほぼ全員食堂て食べていたのを、高等部の生徒・職員が教室で食べ、空いた席に小中の児童生徒・職員が対面を避けて座って食べています。

 

 職員の3密を避けるため、時差通勤、在宅勤務が推奨されていましたが、緊急事態宣言が解除になると在宅勤務は突然取り消しになりました。給食4月までは職員全員分と見守り希望の児童生徒分が提供されていたのが、5月は職員分が打ち切られて弁当持参になるなど、出される指示がコロコロ変わり、混乱しました。

 

6月1日からは全員が登校します。3密を避けろと言われていますが、それでは支援ができません。音楽は歌わない、体育も大声を出さないなど言われていますが、難しい注文です。1学期の行事は中止または2学期に延期になり、文化祭は開催しますが、どんな内容になるのかを話し合っています。

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国語はともかく、算数は単元を飛ばすことができない
                    Oさん(津市・小学校)

 5月18日からの週間は3限授業でした。分散登校をしている学校が多い中で、うちの学校は集団登校をしていることもあって、全員が一斉登校です。分散登校の学校は、午前と早出の午後とに分けて同じ授業を2回していると聞きました。それもしんどいですね。

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 クラスの人数は(3密を避けるため)25人程度と言われていますが、今の学年は30人なので、特別支援学級の子が、支援級で学習することで、25人程度に合わせています。

 

 子どもたちは、また4月の状況に戻っています。当然のことですよね。新しく同じクラスになった子の名前はまだ覚えていないし、休み時間は、もとのクラスの子と遊んでいるし・・・。3限授業の前に帯時間まで使って国・算の時間を作っています。(はっきり言って何も出来ませんが。)3限の中では、体育や図工や音楽などは減らして、国・算を中心に学習している状況です。学活の時間で係活動の充実や休み時間の楽しい活動を考えたいけれど、出来ていない状況です。

 

 国語は今までの単元を軽く扱うことで、なんとか追いつきそうですが、算数は単元を飛ばすことは出来ないので、遅れが出てきます。普段よりは短時間で学習せざるを得ないです。1学期の学習の1単元ぐらいは2学期に持ち越すのかなと思っています。

 

 3限授業の後は、学童の子たちの弁当の時間、受け入れの子(全校で2人)の5・6限の相手をするという流れです。午後はしっかりと時間が取れて、宿題の丸付け、教材研究ができました。もちろん定時退校です。が、明日(6月1日)からはそういうわけにはいかないだろうと思います。

 

 

マスクで顔が見えない 机を寄せて話し合えない それが悩み
                      Kさん(四日市・中学校)

 私は週4日勤務の非常勤講師ですが、1限から4限まで全て授業が詰まっていて、空き時間はゼロという過密労働です。休み時間は職員室には帰らず廊下で待機するなど、

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 普通に考えると「ひどい扱い」ですが、そのぶん朝の交通指導や昼食指導はなし、毎日2クラス分の漢字テスト採点とノート点検をすると勤務時間いっぱい。それから昼食をとり、帰宅。授業がしたい僕にとってはすごく充実したサイクルの毎日です。

 

 また、2ヶ月の空白のお陰で、つまらない教材はすっ飛ばし、本当に生徒が興味を持って力もつけられる「勝負教材」に集中できるのもありがたいですね。「最初のシラバスを作り直せ」との指示には、「しめた」と思い、ひとりニヤけるのを我慢してました。ただ、生徒全員がマスク着用なのと、机を近づけての話し合いが出来ないのが一番の悩みです。

                                  以上

今やるべきはスタディチェックではない

今やるべきはスタディチェックではない
相次ぐイベント中止

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 人類の前に立ちはだかる新型コロナウイルス。今、世界は立ち止まり後ずさりしています。東京オリンピックパラリンピックの延期をはじめ、あらゆる集会が縮小・中止・延期を余儀なくされています。

 

 三重県内においても
30人学級を求める会講演会   4/26 → 中止
三重県中央メーデー        5/1 → 中止
「さようなら原発映画とトーク」  5/2 → 中止
憲法を考える三重県民の集い    5/3 → 中止
三重民教連初夏の教育集会     6/7 → 中止
三重県母親大会         6/21 → 来年5月に延期
 など中止・延期が相次いでいます。

 

 そんな中、みえ教育ネットワークは4月18日(土)、予定していた運営委員会を、「三密」を避けるために急きょ「メール会議」に切り替えて実施しました。一斉休校で混乱する各地の様子が、メールを通して生々しく報告されました。

 

 学校現場の混乱
Aさん
 津市の私の小学校では、8:30~15:30まで6限分の時間子どもを受け入れ。3月の人数よりはすこし減りましたが、400人弱規模の学校で25人ほどです。私の学年は毎日8人ほどいるので、2人の担任で見ています。1学習(宿題プリントをする)、2外遊び、3ビデオ鑑賞、4学習・弁当、5読書、6カードゲーム(かるた・トランプなど)のメニューで1日が流れていく。三密を避けるようにと言われていますが、トランプやかるたをやっているのは矛盾。机や手のアルコール消毒はやっていますが・・・。

 4月中にやらないといけない仕事がたくさんあって、先週だけではまだ終わらなかったです。定時退校だけはほぼまもれるようになって、それは嬉しい。子どもが帰るのは15:30なので、会議はその後です。

 

Bさん
 四日市は、急きょ登校日がなくなり、2週間分の宿題や手紙を郵送することになり、対応でてんやわんや。一時預かりも、3月はいなかったのに、今月は60〜70人も来ています。受付時刻よりも早く来たり、約束の玄関まで来なかったり・・・。送迎が原則ですが、できない親もいて、なし崩しになっています。心配で会いに行きたい子たちもいるのですが、それもだめと言われています。いつまで休校が続くのか。こんな時こそ、学んだり話したりしたいのに、できないもどかしさ。

 

Cさん
 鈴鹿市は14日に「明日から休校」といわれ、保護者から抗議の電話が多数。23日と30日出校日でしたが、これも昨日中止に。今困っていることは、学習の予定が立たないということと、職員の勤務を減らすことは言われず、休むなら年休なので、講師の先生が採用試験などのために年休を取っておきたいということ。

 

Dさん
 3月から合わせれば1ヶ月以上の休校、どこまで続くかわからない状況。愛知県の知り合いからの情報で、夏休みは8月1日から3週間ということを決めたらしい。現場では夏休みが減ることに関しては覚悟しているという感じです。自分としては1日に7限も授業するよりはいいかなと思っています。

 

スタディチェックが届いた
 その中でとんでもないことが・・・。県教委から学校に一斉にスタディチェックが送られてきたのです。

「生徒もいないのに、県教委がスタディチェックを送りつけてきた」

「まだやるっちゅうんや、と職員室ではみんなあきれている」

「全国学力テストは中止すると文科省は決定した。当然スタディチェックも中止すべきではないのか」

「5月12日実施、採点は業者委託、と教委は言っている」

「学校が再開されたら授業の遅れを取りもどすことが最優先。スタディチェックどころではない」

 ・・・そんな議論の中で県教委に対してスタディチェック中止の申し入れを行うことになりました。さっそく申し入れの文書を作りました(別項)。他にも役員体制の強化、県教委交渉、臨時教員の問題、民教連活動への支援などが議論されました。初のメール会議でしたが、コロナに負けずに開催してよかったです。  (よ)

 

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2020年4月23日     
三重県教育委員会事務局 
教育長  木平芳定 様
                   みえ教育ネットワーク教職員ユニオン
                        執行委員長   大原 敦子

 

         スタディチェックの中止を求める申し入れ

 日頃は三重の子どもたちの豊かな学びへのご尽力に敬意を表します。

 さて新型コロナウィルスの感染が全国的に止まりません。三重県内においても各市町で休校措置がとられ、子どもたちはもとより教職員や保護者はこれまで経験しなかった困難に直面しています。すでに休校が2ヶ月近くに及ぶ中で、何よりも子どもたちの学習の遅れが心配されます。学校が再開されたらどうやって遅れをとりもどそうかと、関係者が心を痛めているところです。

 さて、そんな中、三重県教委から本年度の「スタディチェック」が各学校に送られてきました。5月12日実施との指示ですが、そのようなことができるとお考えでしょうか?

 すでに文科省は今年度の全国学力テストの中止を決めました。学校が再開されたら、直ちにすることが、たくさんあります。スタディチェックに割く時間はありません。にもかかわらずスタディチェックを実施しようとされる意図は何なのでしょう。現下の学校生活の中でスタディチェックこそが最も大事なのでしょうか。私たちは教育委員会の意図を図りかねます。そこで以下申し入れます。

1 本年度のスタディチェックは実施しないこと
2 送付されたスタディチェックの利用方法は各学校にまかせること
3 来年度以降のスタディチェックについても中止を含め、見直すこと

                                以上

新型コロナウィルスによる一斉休校に関わって、三重県教育委員会に要望書を提出

みえ教育ネットワーク教職員ユニオンは、

3月10日、新型コロナウィルスによる一斉休校に関わって三重県教育委員会に要望書を提出しました。

全文を紹介します。

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                                                                                                           2020年3月10日
三重県教育委員会教育長 廣田恵子

 

 新型コロナウイルス感染予防のための一斉休校措置に関する要望書
                                みえ教育ネットワーク教職員ユニオン     執行委員長 大原敦子

 

 新型コロナウイルス感染予防ための首相による全国一斉休校措置の要請を受け、貴職におかれましては、県内の学校の休校措置とそれに伴う事態への対応など、大変な激務をしていただいていることと推察致します。

 私たちみえ教育ネットワーク教職員ユニオンは、児童・生徒が安心して生活できるようにすること、保護者への支援を行うこと、教職員等の仕事と給与を保障することなど、いくつかの要望をします。また、この件については県教委事務局から各市町教委に対して2月28日付で通知していることですので、今後の対応についての各市町教委への適切なアドバイスを行ってください。

  以下、具体的な要望を挙げますので、検討と善処をよろしくお願いします。


1 県内の小中学校の児童・生徒が、健康に安心して生活することができるように、市町教育員会に適切なアドバイスを行うとともに、必要な予算の確保をしてください。

 

 2月28日に決めて3月2日前後から休校するという事態に対して、保護者等からはあまりに急すぎて対応できないという悲鳴とも言えるような批判の声が高まっています。

 家庭に保護者がいない場合、児童・生徒にとって学校は一番安全な場所です。また、心身の健全な発達という面から見て、児童・生徒が人と話すことなく一人で家庭に籠るということは、大変大きな問題です。児童・生徒の健康と安全を第一にという立場から、以下のことについて、市町教育委員会へアドバイスするとともに、必要な財政支援等を行ってください。

 

・支援学級及び特別な支援が必要な児童・生徒や自宅待機が困難な児童・生徒を学校で受け入れることができるよう、緊急に条件を整備すること。

生活保護を受けている家庭、生活に困窮している家庭や生活状況に困難を抱えている家庭等の児童・生徒に対しては、家庭での様子や昼食摂取状況などを緊急に把握し、必要により希望する児童・生徒への給食を実施すること。また、その他の希望する児童・生徒についても、可能な限り学校での受け入れや給食の実施をすること。

・教員や支援員等に家庭訪問等の指示をする際は、必要な旅費を確保すること。

・学校再開時に出席することに強い不安を感じる児童や生徒に対しては、登校しなくても欠席扱いとしないこと。(参考:つくば市の通知より)

学童保育で受け入れる場合は、衛生や安全の確保と必要な指導員を確保できるように支援すること。


2 非常勤教職員等の仕事と給与を、責任をもって保障してください。

 臨時休校中における非常勤講師等の雇用の継続・確保を強く求めます。雇用のための予算があるのですから、責任を持って給与を保障してください。

 各非常勤講師、介助などの非常勤支援員、非常勤学校図書館司書、非常勤運転手、非常勤給食調理員など、この事態を受けて必要となる仕事や適切な研修をするなど良い方法を考え、責任を持って雇用の継続をしてください。(東京都教育委員会は、非常勤講師に対し自宅研修の形をとることでも給料を保障するようです。)そうでなければ、生活のために他の仕事につかざるを得ないことも起こりえます。

 その場合、休校措置を解除した後に必要な教職員を確保できずに学校運営に支障をきたすこともありえます。休校措置が長引く場合はその可能性は大きくなります。職員が転職等の心配をせずに安心して職務に就けるように、雇用の継続と給与の保障について各学校または個人に通知してください。

 市町雇用の教職員についても、同様の保障をするように市町教育委員会に要請してください。

 また、甚大な影響をうける学校給食への食材提供農家や給食業者への十分な支援を講じるように市町教育委員会へのアドバイスを行ってください。


3 正確な情報を把握し、必要に応じて休校措置の見直しをしてください。

 感染状況の実態や、児童・生徒の生活や家庭での対応などの実態を把握し、各市町の取り組みや他の都道府県の対応を情報交換してください。

 その上で、文科省から自治体ごとの柔軟な対応を許容する通知が出ていますので、必要に応じて高等学校・特別支援学校の休校措置の解除等の見直しを行ってください。
市町教育委員会にも、同様の柔軟な判断を行うようアドバイスしてください。


4 休校措置は政府の要請により行ったことですから、休校に伴う様々な特別な出費については、政府が財政措置を行うよう強く要求してください。


5 次年度の出校日や勤務などについて、児童・生徒と教職員にとって過重負担とならないようにしてください。

 

 このまま推移すると、本年度3月中に予定していた学習予定内容を次年度4月以降に履修するということになりかねません。そうなると、児童・生徒や教職員に一層の過重な負担がかかり、心身の健康を損なう恐れが生じます。そうした事態を避けるために、次のことを要望します。

① 高等学校・特別支援学校、小中学校共通
・1年を単位とする変形労働時間制の導入は、絶対に行わないこと。
・1週間の授業時間数を増やさないこと。
・長期休業日を短縮しないこと。
・これを機に、不要な行事や業務の大幅な縮減を図ること。

 

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② 小中学校
・土曜授業を増やさないこと。
・授業時間を少しでも確保するため、みえスタディーチェックを一旦中止するとともに、全国一斉学力調査には参加しないこと。

みえ教育ネットワーク教研集会が開催

 みえ教育ネットワーク教研集会が2月16日(日)、河芸公民館で開催されました。 

 今回記念講演にお招きしたのはすずかこどもクリニック院長の渡辺正博先生
 先生は「長時間のメディア接触が子どもに与える影響」について、たくさんの資料・グラフをパワーポイントで映しながら分かりやすく話されました。以下講演要旨です。
          
 

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  中学生の8割、小学生の3割が・・・

 小学校からICT機器が積極的に導入され、電子黒板や一人1台パソコンが配備されるようになってきました。パソコン先進国の韓国では、電子黒板などもうとっくに使ってないそうです。しかも、パソコンは4、5年でモデルが古くなるので、その都度新しく買い替えていくとなると、莫大なお金が必要になり、財政的に行き詰まってくるのは簡単に予想ができます。(国は企業からの要望をうけて動いているのか?)

 しかし、それに呼応するように、近年のスマホ利用率も、中学生では8割、小学生では3割と高い数値を示しています。乳幼児から毎日2時間以上もスマホを利用している実態が報告されました。生後11か月でiPhoneを使いこなしている現実があるそうです。渡辺先生は、日本小児科医会で『スマホに子守りをさせないで!』というポスターをつくり、警鐘を鳴らしてきました。
 
スマホ8つの大罪
 長時間のスマホタブレットの使用は、液晶画面から出るブルーライトの影響は大きいと思います。「光のエネルギーは距離の2乗に反比例する」と言われており、テレビに比べると画面の小さいスマホタブレットの画面に顔を近づけて見ることで、様々な悪影響を与えることを資料から示されました。

①視力の低下(1.0以下の子どもの増加)

②寝つきが悪くなる。(睡眠障害

③急性内斜視が増えている。

④体力の低下(体力テスト、50メートル走、立ち幅跳びソフトボール投げなどいずれも低下している。)

⑤学力の低下(学調の結果と生活習慣との相関性)
・テレビを見るほど   
・ゲームをするほど
・毎日の会話が少ないほど
・朝食をとらないほど
・自然の中で遊ばないほど
・読書をしないほど
  →学力低下の傾向が大きい。

⑥脳への悪影響(ゲーム脳
・人間の理性をつかさどる前頭前野の働きが低下し、他人の痛みを感じる中枢が鈍くなり、攻撃的になる。
・言語中枢に悪影響を及ぼし、発達の遅れが見られる。
・薬物依存と同じ状態になる。
 その結果、やめようと思っても、やめられない。やめさせようとすると、イライラする。ゲームのやりすぎを注意した親に暴力をふるい、殺す事件まで発生する。

⑦ストレートネック・・・長時間のスマホの視聴は前かがみになり、猫背になる。慢性的な頭痛や肩こりが起きる。

⑧SNSの問題・・・どこでもだれでも犯罪に巻き込まれる可能性がある危険な状況
LINEによるトラブルやいじめ
Tik Tokの危険性
→自分の顔が動画で配信されること。

 これらのツールは、ネット上で見知らぬ人とのつながりが容易にできるということである。「神待ち」という言葉があるが、家出をした少女が、寝場所を見つけるためにネット上にあげると、すぐに返信が来て監禁される事件に巻き込まれる事件がある。
 
手放しの状態は危険
 以上のように、問題をあげればきりがないほどです。 こうしたスマホの普及に対して、国は、何の規制をすることもなく手放しの状態です。その背景には、一部のエリートと多数の物言わぬ労働者を生み出そうとする国策により、容認しているのかも・・・?

 格差社会の現在、教育格差の深刻な実態があります。大人がスマホ依存・ゲーム障害に陥るのはある意味自己責任という面もありますが、生後間もない乳幼児や子どもたちがそれらにどっぷりとつかってしまうのは、大きな問題であり、それは大人たちの責任です。
 
スマホ依存からの脱却
 おとなたちは安易にスマホタブレットを子守り代わりに与えるのではなくて、親子で同じ目線で共有できる絵本の読み聞かせや自然の中での遊びや直接体験をする、身体を使うことなど、体力はもちろん豊かな感性を養うことができるのです。もうすでに手遅れということはありません。できるところから少しずつ始めましょう。

 スマホ依存に近い状況にある子どもから、スマホタブレット、ゲームをすべて取り上げるのは絶対にしてはいけないことです。時間を決める、しない日を決めるなど使い方やルールをきめることから始めて、最終的には、自分で自制できるようにしていきたいものです。そのためにも、医療機関も含めた様々な相談機関にかかることも大切です。

 文化行事はキャラメルベリーさんをお招きしました。

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 普段は、音楽療法士として働きながら、二人でバンドを組んで演奏活動をしています。
 アコースティックギター2本で、透き通る伸びのある歌声を聴かせてもらいました。曲目は、「竹田の子守唄」「イエスタデー」「レットイットビー」「スタンドバイミー」の4曲でした。時間があればもっと聞きたくなるような素敵なオープニング演奏でした。
                               (文責 M)

 

2月16日(日)春を呼ぶ! みえ教育ネットワーク教育研究集会

2020 春を呼ぶ!
みえ教育ネットワーク教育研究集会
2月16日(日)10時から河芸公民館にて

                                               日本小児科医会のパンフレットより

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 記念講演「長時間のメディア接触が子どもに与える影響」
 小児科医師 渡辺正博先生(すずかこどもクリニック院長)

 みえ教育ネットワーク教研集会が2月16日に開催されます。今回記念講演にお招きするのは、すずかこどもクリニック院長の渡辺正博先生(似顔絵イラスト)。

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 講演テーマは「長時間のメディア接触が子どもに与える影響」。多くの先生や保護者に聞いていただきたいお話です。

 講演に先立つ恒例の文化行事、今年は音楽療法グループ「キャラメルベリー」のお二人(井上眞由美さん・鈴木眞さん)による楽しい歌です。お二人は北勢労連の組合員で、昨年は「青山里会」との団体交渉でがんばってきました。今年は新しい場所で音楽療法の活動を展開しています。

 

 午後は2つの分科会が開かれます。参加は無料、子育てや教育に関心のある多くのみなさんのお越しをお待ちしています。

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 〈集会日程〉
 9:30 ~ 受付
10:00 ~ あいさつ
  文化行事「音楽療法グループ キャラメルベリーによる歌」
10:30 ~ 記念講演
      「長時間のメディア接触が子どもに与える影響」
          すずかこどもクリニック 院長 渡辺正博 先生
12:00 ~ 諸連絡  (昼食休憩 12:15~13:30)
13:30 ~ 分科会
  分科会① 長時間のメディア接触が子どもに与える影響について
        渡辺医師のお話をもっと聞きたい人はこちらへどうぞ
  分科会② わらべうたを使った音楽実践とつながりあそび
        現職の先生による音楽の模擬授業です。
        子どものころを思い出して、音楽の授業を受けてみませんか?
16:00 終了

 

とき  2020年2月16日(日) 受付 9:00 開会 10:00

ところ 津市河芸公民館  津市河芸町浜田742番地
          国道23号線 朝暘中学校交差点を西に入るとスグ