みえ教育ネットワーク

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ひまわり学習講座「秋のつどい」に参加      50代で合格通知!!

  10月10日、三重県臨時教員問題を考える会主催・ひまわり学習講座「秋のつどい」に、OBとして参加しました。今年の採用試験を受験した人を中心に20人近くが津・リージョンプラザに集いました。「合格しました」という嬉しい報告、「残念ながら・・・」という悔しい報告、悲喜こもごもです。

 圧巻は50代で合格通を勝ち取った□さん。「合否発表のパソコンを見るのがこわかった。自分の番号を見つけたとき、信じられなかった。」「去年落ちたとき、自分がどういう評価だったのか知りたくて、成績の開示請求をした。新たなスタートを切るために必要なことだった。同時にこんなことしたら来年は不利になるかもしれないと心配した。」「この年齢で正規教員に返り咲くことがあるとは思っていなかった。(年齢制限撤廃など)いろんな運動のおかげだと思っている。これからも運動にかかわって行きたい。」

 いっぽう○さんは今年7回目の不合格通知(2次)を受け取りました。「合格発表は運動会の前日。落ちていたら明日の運動会を平常心で迎えられないと思い、パソコンが開けられなかった。」「22歳の新採教員が研究授業をした。授業規律がしっかりしており子どもが集中している。『ちいちゃんのかげおくり』は、よく教材を研究し、自分の価値観をもって授業をしていた。自分にないものを持っている。校長によばれて『君はどういう子どもをつくりたいのか、そのために子どもにどういう声かけをするのか、それが大事だ』と言われた。自分に足りないものを、あと半年、この学校で学んでいきたい。」

  この○さんの発言をめぐって、興味深い議論が交わされました。
「県教委は不合格通知を出したその手で、翌日には引き続き講師として働けという辞令を交付する。これを受け取るときの辛さ、怒りは、経験したものにしか分からない。教師としてダメじゃないからこそ、何年も講師として任用されるのだ。Kさんはそこに自信を持ってほしい。」「合格しなかった人は合格した人より劣っているとKさんは思っているの?だったらここにいる人はみんな劣っていることになるんだぞ。」「自分は18回受けて18回不合格になった。しかし自分が教師としてダメだったと思ったことは一度もない。今の採用試験はシステムとして不完全だと思う。教師としての力量をきちんと反映できる制度ではない。合格した人はラッキーだと思ってがんばればいい。不合格だからといって教師としてダメなのではない。」「40歳を過ぎて、今年合格しました。若い正規教員がまともな生徒指導もできず、泣いてばかりいる中、自分は人の嫌がる仕事を引き受け、担任もやってきた。教師として負けていないという自負はあった。でも去年まで不合格だった。現場経験がきちんと評価されるシステムにしなければいけない。今年合格した理由? 運でしょう。それと面接官との相性がよかったのかも。」

  司会をしていた△さんは今年16回目の受験でした。結果は・・・。自分が悪いんじゃないと頭では思っていても、やはり不合格通知はつらい。この先採用される日は来るんだろうかと真剣に悩んでしまう日々。9月には1週間入院。医者は「疲れとストレスでしょう」。気持ちは負けないつもりでも、体にはけっこう影響していたんだなあ、と△さん。一昨年までは「合・否」のみだった選考結果通知が、去年からは点数もつけて送られてくるようになりました。さらには「開示請求」で、面接や論述試験における試験官の「講評」も明らかにさせました。これらの取り組みを、勇敢に続けてきた臨時教職員問題を考える会。その先頭に立つ△さん。その真面目さ、人柄、組織力、教師としての仕事ぶり、子どもへの情熱、どれひとつとっても、この人を正規採用しない理由は見つかりません。

「期限付講師というのはかつては、だれかが教頭になったために正規教員が足りなくなったときなど、突発的なものだったはず。それが今では当たり前のように存在していることがそもそもおかしい」、と制度の根幹を問う議論も交わされました。
今回のみえ教育ネットワークの調査では三重県内の期限付講師の割合はこの5年間増え続けています。
小学校6.9%⇒10.0% 中学校8.4%⇒13.7% 
高校6.0%⇒8.4%  特別支援学校16.2%⇒21.0%
(いずれもH19年度〜H23年度の比較、正規教員に対する比率)。
これらはすべて「定数内」ですから正規として採用すべきものです。不安定な働きかたを、多くの人に強いるやりかたは、即刻、改めてもらいたいものです。
秋の県教委交渉などで、現場の願い、臨時教員の叫びを、当局に届けなくては、の思いを強くした一日でした。  (Y)