みえ教育ネットワーク

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長時間勤務の解消・臨時教職員の待遇改善・競争あおる学力テストの中止を

 11月16日(金)、みえ教育ネットワーク教職員ユニオンと三重県教育委員会との交渉が行われました。県教委からは教職員課長、福利・給与課長、研修企画・支援課長など10名が、みえ教育ネットワーク教職員ユニオンからは委員長はじめ6名が出席しました。交渉はあらかじめ提出してあった「2012年度 要求書」に基づいて行われ、現場の実情や願いを県教委当局にしっかりと伝えました。詳しい交渉内容をお知りになりたい方はみえ教育ネットワークまでお問い合わせください。
  E-mail;mieroren@circus.ocn.ne.jp

 以下、交渉内容について順次紹介していきます。

その1「長時間勤務の解消」

 夜中の12時に保護者から電話がかかってくる 
 まず問題になったのは、過重労働の実態です。県教委から示された資料は県立学校(高校・特別支援学校)のもので、小中学校の分は「市町教委を通じて県教委へ出すようお願いしているが、整理できていない」とのこと。つまり小中学校現場の勤務の実態は、十分には把握できていないということでした。これを受けてユニオン側は以下のように現場の実態を訴えました。

ユニオン:この資料で、県立学校では、月平均の時間外労働が21・8時間となっているが、中学校では、考えられない。私の学校は、比較的安定した問題行動の少ない学校だが、それでもほとんどの先生の超過勤務は50時間を下っていないと思う。60〜80時間(部活動もあるので)は絶対に下らない。われわれの週労働時間は40時間を切っているが、その2倍の時間は働いている。正常な健康維持をするためには、これは異常な事態である。

県教委:中学校で:50〜60時間を越えるだろうとのことだが、どこまでどういう形で一人ひとりの教員が申告しているかにもよるが、平均して50〜60時間は、さすがにいかないのではないか。

ユニオン:そうするとうちの学校は異常な事態ということになる。私が認識しているだけでも、うちの学校よりも早く帰れる学校は少ないと思う。こういう異常な実態をほうっておかず、県教委として手立てをうっていかない限りは、有能な人材が力を発揮できない。体を悪くして病気になる。実際風邪で2、3人休むときもあった。それを他の人が補うわけだ。そういうことが、ずうっとある。県教委はもっともっと正確につかんでほしい。この労働時間の中で、クラブはどれだけ占めているのか、生徒指導はどれだけしめているのかをしっかり把握しない限りは、改善になっていかないと思う。

ユニオン:県教委のデータがあるが、教職員の病休・休職が23年度、病休271人、休職144人そのうちメンタルなものが病休112人、休職104人となっており、22年度と比べると病休・休職のどちらもメンタルによるものが16人ずつ増えている。この数もすべて申告してでてきたものではなく、氷山の一角として、隠れているものもたくさんあるのではないか。くも膜下出血などで実際に倒れてしまうということもある。愛知県では鳥居裁判で判決が出たが、これについては、他人事ではないなと思う。県教委の見解を聞きたい。

県教委:私どもも新聞等で知っている。長時間労働が脳内出血を起こしたかどうかの裁判だと理解している。名古屋高裁の2審も長時間労働が原因と認めたわけで、まだ判決が固まってはいないが、それが判例となれば尊重して、私どもも過重労働に対して取り組んでいく必要もあるだろう。個人の不幸な出来事ではあるが、私どもも先生方が倒れていただくのは、大変な損失となるし、本人にとっても健康は一番大事なことでもある。個々についてコメントするだけの内容は把握してない。

ユニオン:そういうこともあって、小中のほうもきちんと把握してもらって、これは深刻だというのであれば、何か対策をとってもらわないと、子どもが溺れてから柵を作るのでは遅いので、是非これは目に見える形できちんととっていただきたい。

ユニオン:今の子どもたちや保護者の実態について、以前では考えられないことがクレームとして出てくる。それが電話で夜中の12時にかかってきたり、早朝にかかってきたりで、夜の8時や9時は当たり前の状況である。今の保護者の目は、とても厳しく、ちょっと曖昧な態度をとると、「それはどういうことか」と言われる。だから、保護者に対する説明をするだけで、かなりの時間を使うことになる。精神的な負担もかなり大きく、それに対する対応をしないと学校がうまく運営できないし、場合によっては、保護者も法廷闘争も辞さないという強い構えでいる場合も結構ある。そういう時代である。だから、先生方は、本当に職をかけるという状況の中で、日々過ごしている。対応を誤ってしまうとそこまでいくという中で、時間でカバーしていかないとえらいという実態が、今ここまできていることを言いたい。

 ※鳥居裁判というのは豊橋市の中学校教員・鳥居建仁さんが学校祭の途中に脳出血を起こして倒れた件。10月26日の第2審名古屋高裁も「公務災害」と認めました。詳しくは愛教労HPなどをご覧ください。    http://www.aikyourou.jp/archives/category/

   次回は その2「臨時教職員の待遇改善」についてお知らせします