9月25日、三重県教委は県内の全ての高校に対して
「Q1 安保関連法案を主たる題材にした授業を実施しましたか」
「Q2 安保関連法案を主たる題材にした授業の教科・科目は何ですか」
という調査を一斉に行いました。
調査の理由として
「ある県立高等学校において、生徒に対して事前指導や授業計画の全体像についての説明を行うことなく、同法案を扱う授業が行われていました」
「具体的な政治的事象については、国民の中に種々の見解があるので、指導にあたっては、客観的かつ公正な資料に基づいて適切に行う必要があります」
などと述べられています。しかも「調査の対象となる教員が年休・出張等で不在の場合も連絡を取って聴き取ってください」という念の入れよう。
↑中日新聞10月10日
これを知った教育現場からは
「いったい何ごとか。教育委員会が授業の内容を調査するなんて前代未聞だ」
「安保法を授業で取り上げるなと言うことか」
「こんな事があると時事問題を授業で扱いにくくなる」
「安保法反対の意見を押さえ込もうとしているのでは」
などの声が上がりました。問題を重視した県内の教育団体は三重県教委に「調査の中止を求める要請書」を提出しました。
10月9日の三重県議会ではこの件に関し、県教委の説明がありました(中日新聞10月10日付)。
「調査の結果、8校が授業で扱っていた。いずれも賛成反対の両意見を扱っていた(ので問題はない)」との説明ですが、なにゆえこのような調査をする必要があったのかに関しては、釈然としません。
稲森議員(草の根運動みえ)が「時事問題を扱うことを学校側に萎縮させることがなかったか検証すること」を申し入れたとのことですが、今回の県教委の行動が現場へ与えた影響など、十分な検証が必要です。
昨年、防衛省からの要請に基づいて自衛官募集パンフに三重県教育委員会の名前を載せたことが大きな批判を浴びた県教委。今回の「調査」は、はたして本当に必要な調査だったのか、検討が求められます。 (よ)