みえ教育ネットワーク

「 みえ 教育 ネットワーク 」は 三重県に勤務する、教育に関わる 全ての 職種 (正規・非正規 とも)、誰でも一人から入ることができる労働組合です。無料ブログのため、CMが入りますが、ご了承ください! ホームページは https://menwtuhp.jimdofree.com/ にあります。                 

組合活動 18年 ***つくってよかった!!

 コロナ感染が下火になり、延期されていたみえ教育ネットワーク総会が2021年11月14日に開催されることになりました。総会に寄せる思いを道家さんに寄稿してもらいました。

18年間の組合活動を振り返って  道家 桂

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 「みえ教育ネットワーク(以下「ネット」と省略」)が結成されたのは2003年9月7日です。当時の結成総会議案を見ると、三教組三泗支部で県議選での組織内候補への支持拡大やカンパの押し付けに疑問を感じた教師たちが、自由を求めて立ち上がったことが書かれています。「本当にたたかう、組合らしい組合をつくろう」と考えた教師たち(最初は12名だったそうです)が、2001年から準備会を重ね、結成総会を迎えたことが分かります。

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 最初の運営委員会は15人でスタートしており、週に1回のペースで会議を行っていました。私は何回目かの準備会に招かれたのですが、まっとうな訴えに賛同して参加しているうちに、なぜか書記長に選ばれてしまい、そこから委員長の2年間を除いてずっと書記長のままです。(なぜか断る理由が見つからなかったため)

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    そして最初に取り組んだ大きな運動が、四日市市の「学校選択制」導入反対運動でした。東京・大阪などの一部の都市で導入されたこの制度に、当時の市長が乗り気になって進めようとしました。ネットでは「こんな問題だらけの制度の導入は絶対に許せない」という決意で東京から講師を呼んで学習会を行い、自前のパンフや抗議ハガキを作成して各学校とPTA会長あてに送ったりしました。集めたハガキの束は、当時の委員長の吉田さんが市長室の前に置いてきました。

 

 「だって郵送料がもったいないし・・」と笑っていたのを覚えています。この抗議運動はPTAや校長会、三教組三泗支部にも広がり、その結果、四日市市は導入を諦めました。この成果は私達の大きな自信になりました。

 

 その後は三重県人事委員会に登録する「職員団体」となり、毎年の県教委との交渉を大きな活動の柱としてきました。ただ、大手組合のように数多くの問題を取り上げても、限られた時間での交渉は深まらないと考え、組合員の要求の高い「勤務時間の適正化」「非正規教員の待遇改善」「30人学級の実現」をはじめとする5~6項目に絞り、事前にシミュレーションをして臨みました。

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 それまでに要求した中で実現したものとしては「非正規教員」に関するものばかりですが、「夏の特別休暇」が3日だったのが正規と同様の5日となり、事務補助の忌引きが1日だけだったのが正規と同様になり、3月末の「空白の1日」のために健康保険などの様々な煩雑な手続きが必要だったのが、国会での追及もあってそれがなくなったりと、数は少ないですが、現場では大いに歓迎される成果となっています。

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 交渉の中で学んだことは、言い続けるのと同時に迫り方を工夫するということ。「夏特」問題は3~4年かかりましたが、「全国で講師だけ差別化しているのはもう三重と静岡だけですよ」と指摘したら翌年には改善されていましたし、事務補助の忌引きは「親が死んでも忌引きが1日だけとは、立派な人権教育の教材になりますね」と言ったらすぐに改善されました。

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 現在はみえ労連の運動の一環を担う形で、三重県下の各自治体と「教育懇談」を行っています。隔年で「市」と「町」の教委と懇談しますが、こちらは「交渉」と違い、事前に全市町から取ったアンケート結果の一覧をもとに、それぞれの教委(教育長が参加する場合も)と話し合うのですが、その自治体の優れた点を指摘し、どうやって実現したのかを聞いていくと、相手方はすごく友好的になり、ごく一部の「改善してほしい点」の指摘にも耳を貸してくれます。

 

 また、優れた取り組みを他の自治体との懇談で紹介することも忘れずに行います。普通教室のエアコン設置も、100%実施の自治体を紹介し続けてきたことが現在の普及状況に寄与していると感じます。

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 創立19年目を迎えるネットですが、振り返ってみれば「大変だったけどやはり作ってよかったなあ」と感じます。同時に「初心を忘れたらネットを作った意味はなくなるな」とも感じています。