みえ教育ネットワーク

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熱中症から生徒を守れ!

 熱中症から生徒を守れ!

 2022年7月29日に三重県教育委員会の定例会が開かれ、その中で教育ネットが提出した熱中症対策に関する請願書」が審議されました。

 

 部活動は教育活動の一環とはいいますが、実際には部活動に熱中する顧問の暴走によって加熱してきた側面があることは否めません。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大によって、生徒が学校に登校して授業を受けるのを停止していた期間中に、部活動のための登校はありとされたほどです。このような「命よりも部活動」と言わんばかりの対応がまかり通る部活動のあり方はやはり問題なのではないでしょうか。

 教育ネットは本請願書の中で、夏場の部活動の実態について示しました。WBGT指数に基づき「運動は『原則』中止」と評せられるときであっても、部活動に燃える顧問は「あくまで『原則』なんだから、守らなくてもいい」と、「原則」という言葉を都合よく解釈することがあります。

 

 ひょっとしたら、こうした運用に「おかしい」と思っている顧問もいるかもしれませんが、顧問間の同調圧力等によって、自分の部だけ、熱中症リスクの高いときに部活動を停止することはなかなか難しいのではないでしょうか?熱中症リスクが高いときは部活動を停止するように、管理職からすべての顧問に指示するようにすることが大切です。本請願書は、それが実現することを願って提出しました。

 

 しかし、三重県教委に我々の思いは届きませんでした。顧問が「部活動をしたい」という個人的な思いで、生徒を熱中症のリスクに晒(さら)してまで部活動をしている実態が問題であるという旨を指摘しているのに、三重県教委は「学校での総合的な判断」のもと部活動を行うという、現状の問題を放置する意向を示しました。

 しかし、これでは生徒たちが熱中症から守られませんし、自分自身のエゴのために部員を利用している顧問を野放しすることになります。これではいけません。

 幸い、教育長定例記者会見の中で、この対応のおかしさについて記者の方たちが追求をしてくださいました。

 WBGT指数に基づくと「運動は原則中止」と判断されるときでも、中止が原則となるように徹底しているとは到底言えない状態であることや、どういう取り扱いになったのか三重県教委が把握していないことが明らかになりましたし、その際に取るべき対応として三重県教委が上げた内容が、1段階下の「厳重警戒(激しい運動は中止)」と同じであることが指摘されました。

 

 請願自体は不採択となりましたが、このときの会見の記録を読むと、三重県教委がかなり慌てていたことがよくわかります。こうしたことの積み重ねが当局のおかしな対応を是正させることにきっと繋がることだと思います。当局の悪質な振る舞いをやめさせ、暮らしやすい世の中を作るのは、いつ現れるかわからないどこかの誰かではなく、私たち自身だと改めて感じます。  (は)