みえ教育ネットワーク

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みえ教育ネットワーク北勢交流会   日系ブラジル人のIさんら3人からの報告  労働組合ってすごい!

 5月19日(土)みえ教育ネットワーク北勢交流会が行われました。この日は4月に亀山●●電工で労働組合を立ち上げた日系ブラジル人のIさんら3人に来ていただき、「労働組合ってすごい!」と題して、お話をききました。以下、メモ書きふうに・・・。

 ●●電工はパソコンの部品を作っている会社で、その分野では世界一のシェアを占めている。私たちは仕事に誇りを持ち、会社を愛している。

 20年前、「出かせぎ」のつもりで日本に来た。日本で働いてお金をため、ブラジルに帰るつもりだった。しかし、日本の暮らしが気に入り、結婚し、子どもができ、家も買った。永住ビザもとった。もうブラジルには帰らない。

 私たち日系ブラジル人は6ヶ月ごとに契約を更新する「期間工」で、正規社員(=日本人)とは違う扱いだ。

 かつては期間工も社内の会議や研修に参加できたが、今はできない。現場の最前線で働いているのに正規社員になれない。会社の組合にも入れない。

 正規社員は駐車場があり、マイカーで出勤する。しかし、私たちには駐車場がなく、送迎バスで出勤する。バスは鈴鹿四日市まで迎えに来る。もちろんバス代は必要。

 正規社員は月給制で諸手当やボーナスがあるが、私たちは時給制。男1370円/時、女1040円/時で、ボーナスや手当てはない。男18万円/月、女14万円/月ぐらいにしかならない。ゴールデンウィークと言っても、喜んでいるのは正規社員だけ。私たちはその間、無給になるので、アルバイトに出る。土・日もアルバイトをしなければ食べていけない。

 会社が中国やベトナムに工場進出し、そのため私たちの残業がなくなった。これまでは平日や土・日の残業で稼いだ。残業は100時間/月を超えた。今の年収は6年前の半分ぐらいに減った。

 苛性ソーダメタノールなどの化学物質を吸い込んで病気になり辞めていく人が多い。ある人は、めまい・嘔吐・結膜炎などで欠勤が多くなったら、解雇を言い渡された。作業中に嘔吐しているのに「薬品が原因ではない、本人の体質のせいだ」と会社は言う。ひどい話だ。団体交渉で解雇撤回を求めている。

 有害薬品が洩れて続けていても、放ったらかし。労基署が来るとなったら、あわてて大掃除。そんな中で、私たちは防護服もつけずに作業をしている。

 同じ工場の中で日本人はデスクワーク、私たち日系ブラジル人は現場労働。これが国籍差別でなくて何であろう。

 組合を作ろうと呼びかけたら、80人が加入した。5月13日と16日に団体交渉をした。13年間働いてきて初めて総務課長さんに会った。有給休暇に理由は要らないこと(これまでは医師の診断書を出させていた)、就業規則を明示すること、労働者の都合も聞かずに急な勤務変更はしないこと、薬品漏れの箇所は8月中に改修工事をすること、など約束できた。初めてトップに声が届いた。労働組合ってすごいと思った。

 危険な職場環境の改善、不当解雇撤回、諸手当をつけよ、アルバイトしなくても生活できる賃金を、など実現していきたい。そのためにも組合員をもっとふやしたい。

 私たちの子どもは日本語しか知らない。これからずっと日本で生きていく。私たちと同じような目にあわせたくない。会社は大切なパートナーとして私たちを認めてほしい。

 ※あとの懇談では、子どもの教育のことなどに、話がおよびました。お母さんにくっついて会場に来ていたTちゃんはI小学校の2年生。大きくなったら「科学者かお医者さんになりたい」というお利口さんです。「小学2年生ではこれから九九が出てきますね。ブラジルの九九と日本の九九はちがうので、お母さんが家で見てやることが出来なくて、つまずく子が多いです。」とK先生。

 お母さんは「私はこの子を大学まで行かせてやりたい。この子が大きくなったとき、日系ブラジル人が差別され苦労することのないように、今私たちががんばらないと」と、力強く語っていたのが、印象に残りました。(Y)