みえ教育ネットワーク

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三重県教委は、子どもや教師をこれ以上追い立てるべきではない

  三重県教育委員会が「みえスタディ・チェック」なるものを導入しようとしています(詳しくは三重県教委HP参照 http://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/201405003624.pdf )。

 県教委作成のテストを小1〜中3の全生徒に実施し、その結果を市町教委を通じて県教委に報告させます。実施(基準日)は、7月4日(金)、1月28日(金)、2月27日(金)の年間3回。問題用紙の印刷・採点・集計は各学校でやれとのこと

  これを聞いた中学校の先生は「定期テストの終わった日に、さらにテストかよ。ただでさえ採点が忙しいのにこれ以上無理。」と言っています。小学校の先生は「自分の作ったテストならともかく、県が作ったテストでは到達度は測れない」と批判的です。

  結果の公表については「三重県教育委員会は、県全体の状況について公表する」と(わざと曖昧に)しか書いてありませんが、県教委が各学校・各市町の点数をがっちり握るのですから、管理職は汲々とするでしょう。「せめて三重県の平均ぐらいには・・・」と子どもや教師が追い立てられ、競い合いが始まります。 

  すでに、全国学力テストの点数をあげるために「中3・小6の4月は、授業そっちのけでテスト対策をさせている」などの実態があることを、私たちは告発してきました(当ブログ2012年6月10日付ほか一連の記事参照)が、「みえスタディ・チェック」は三重県の教育現場をいっそう競争主義に追い立てるものです。 

  鈴木英敬知事は就任前から「学力テスト全国3位以内」を掲げていますが、今回の方針は県教委がそれに追随する姿勢であることを示すものです。今、安倍政権によって教育委員会制度が重大な岐路に立っていますが、首長から独立した立場であるはずの三重県教育委員会には、子どもたちの本当の幸せはどこにあるか、今こそ見識を発揮してもらいたいものです。

  一方、県教委が発表した「平成27年度三重県立高等学校入学者選抜実施方針」にも重大な問題があります。そこには「入学者選抜におけるスポーツ特別枠について」という項目があり、従来の前期選抜(かつての推薦入試)に新たに「スポーツ特別枠」を設けています。(詳しくは http://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/201405003624.pdf 参照) 

  目的には「平成30年に全国高等学校総合体育大会が、平成33年には第76回国民体育大会が、三重県を中心として開催される。本県の子どもたちが競技力を向上させ、一層活躍できるようなしくみを作るとともに、自らの可能性を伸ばし、夢の実現に向けて取り組むことができるよう本制度を導入する」とあるように、4年後・7年後の、高校総体・国体にむけた対策であることを恥ずかしげもなく書いています。

  スポーツ特別枠を設ける学校も指定されます。例えば男子バスケットは四日市工業、陸上競技女子は宇治山田商業、卓球は白子、レスリングはいなべ総合学園、といったように、県内で1校ずつ。「自らの可能性を伸ばし、夢の実現に向けて取り組」みたかったら、この学校に行きなさいと県が指定するなど、はたして公立高校のすることでしょうか?総体・国体で勝つためなら、なりふり構わない・・・。これで本当に子どものためになるのでしょうか? 三重県教育委員会の良識が問われる由々しき問題です。

  これらの問題、みなさんはどのように思われますか?ぜひ、ご意見をお寄せください。   
(Y)