昨年、自衛隊員募集パンフレットに三重県教育委員会が名前を提供したことが大きな問題となりましたが、新年度から出回っているパンフからは県教委の名前は削除されています。みえ教育ネットワーク教職員ユニオンをはじめとする諸団体が、昨秋以来、県教委と話し合いを重ねてきたことを反映したものと思われます。
自衛隊については様々な意見がありますが、昨年7月の集団的自衛権容認閣議決定によって、自衛隊はこれまでの「国を守る」=専守防衛から、海外に出掛けていってアメリカと一緒に戦争する軍隊へと、その性格を大きく変えようとしています。
そのような危険な自衛隊への入隊を「知れば知るほど誇れる仕事」として教育委員会が勧めることは、教え子を戦場へ送らないとの誓いに反します。県教委との話し合いの中では、「パンフに名前を出しているのは全国で三重県だけだ」「こんな大事なことを教育長も知らないうちに担当者が勝手に決めていいのか」「教育者としておかしいと思わなかったのか」「防衛大臣の依頼に唯々諾々と従うのでなく、教育委員会の自主性を発揮してほしい」など厳しい意見が飛び交いました。
今回の「教委名削除」はこうした抗議を反映したものと評価できますが、集団的自衛権行使を法律化する「戦争法案」が国会で審議入りしているだけに、今後いっそうの監視が必要です。
左は昨年7月、高校生に配られたパンフ。三重県教育委員会の名前が入っています。
右は今年配られているパンフ。教委名はありません。