11月25日付けの各新聞に載っていますが、OECDの発表によりますと、日本の教育への公的支出が OECD加盟国中最下位だったとのこと……。6年連続です。誠に情けない話です。
OECD(経済協力開発機構)は、欧米諸国、アメリカ、日本などを含む約34か国の加盟国によって構成されており、様々な分野における政策調整・協力、意見交換などを行っています。
2015年版の調査結果を見ると、OECD加盟国が小学生から大学生までの子どもひとりあたりに掛ける教育資金は、平均で10,220米ドル(11月24日現在、約125万2,461円)。国が教育にかける公的支出の割合を見ると、比較可能な調査対象国32か国のうち
日本はもっとも低い3.5%。
1位はノルウェーの6.5%で、ついで
ベルギー、アイスランドが5.9%、
フィンランドが5.7%と、北欧諸国の教育に掛ける公的支出が高かった。
日本の、教育にかける公的支出の割合の低さは2014年にも指摘されていた課題のひとつ。そのほか、2014年の結果では日本は韓国やチリと同様、高等教育段階の学生のほとんどが高い学費を請求されており、学生支援制度が比較的発達していないことが指摘されていました。
以前、三重大学の副学長を務められた児玉克哉氏( 社会貢献推進機構理事長)は、次のように、ネットで述べています。
現在、来年度予算に関して、財務省と文部科学省との間で公立小中学校の教職員定数をめぐる議論がされています。財務省は少子化に伴い、平成36年度までに約37,000人の削減を提案しています。
日本の義務教育での1教室あたりの児童・生徒数は海外のものと比較してかなり多いのです。それで問題がないのならいいのですが、実際にはいじめや不登校などの問題があります。教員はモンスターペアレントの問題もあり、教員の不登校問題もでてきています。
フィンランドは、教育費がすべて無料なのは、知られていますが、そのフィンランドが財政危機にあったとき、大幅な教育費の削減の提案がありました。しかしこの時も削減どころか、教育費は国の将来への投資としてさらに増加されるということもありました。驚くような先見の明です。当然、少人数教育で、自主的な学習意欲を高める教育がなされています。
日本も少子化に入っています。これを良いチャンスとして、教育環境をずっと良くすることが必要です。日本の教育機関は予算がなくなり、厳しい状況に置かれています。政治家は選挙の時には、誰もが「教育は大切」といいます。しかし現実の政策では、教育予算はカットされてきています。少子化のもとに、今は民間の教育産業も衰退気味です。これでは日本の教育はどうなるのか。 以上、児玉克也氏の弁。
また、日本の公立小学校の学級規模(13年)は、29か国中3番目に多い平均27人で、OECD平均を6人上回り、
中学校は26か国中2番目の32人で、OECD平均より8人多かった。
OECDは「日本の教員は大きな学級で教えているが、問題行動のある子が少なく、授業や学習の時間を確保できている」と評価しているのは、少々、甘い認識では??と疑問を感じます。
今、正に予算編成の時期です。政府は、軍事費の増額は、認めていますが、社会保障費の増額を必要以上に抑えようとしています。教育予算も増額は、望めません。教育費の重い家計負担は、限界に来ています。憲法に定めた「教育の機会均等」へ国が責任を果たすためにも、学費の無償化への世論を高めて行きたいものです。(あ)