新しい学習指導要領の目玉の一つとなっている「アクティブ・ラーニング」。2月4日の「2017春を呼ぶ!みえ教育ネットワーク教研集会」の午後の分科会でも取り上げられます。
何だか不安を感じるアクティブ・ラーニングですが、三重県臨時教員問題を考える会の機関誌「ひまわり」が、わかりやすく解説しています。ひまわり編集部の許しを得て、掲載します。
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問答 アクティブ・ラーニングだ!
(^_^;) 先生はアクティブ・ラーニングしていますか。
考太郎 私の勉強はいつでもアクティブだけど?
(^_^;) じゃなくて、授業です。先生は授業にアクティブ・ラーニングを取り入れていますか。
考太郎 分かっているよ、冗談。もちろん一方的な講義ばかりしているわけじゃないさ。
(^_^;) やっぱりやってるんだ。先生、「アクティブ・ラーニング」って何をしたらいいんですか。私もそろそろ始めなきゃと思っているんですけど。
考太郎 何でもいいんじゃないか?
(^_^;) そんな適当な。
考太郎 そもそも私は、この名称が気に入らない。文科省や教育委員会、その他の行政、とにかくお上がカタカナ言葉を使う時は要注意だ。
(^_^;) そんなもんですか。
考太郎 アクティブ・ラーニングの発想そのものは、新発明でも何でもない。いくらでも日本語に直すことはできるのに。直さないでカタカナ言葉を使うのは、彼らがその内容を十分消化できていないか、何かをごまかそうとしているに違いない。
(^_^;) そういうもんでしょうかねえ。
考太郎 そういうもんだ。
(^_^;) では先生は、アクティブ・ラーニング反対派ですか。
考太郎 そんなことはない。私だってこれまでにもいろんな試みはしてきたよ。
(^_^;) やっぱりね。
考太郎 そもそも1時間中ずっと教師が話し続ける授業などやっていたんじゃ、子どもの学習が成り立つはずがないじゃないか。昔も今も、教師はみんな授業の流れの中で随所にアクティブな学習を織り交ぜて指導しているだろ。
(^_^;) それはもっともです。
考太郎 それに、様々な授業形態の試みは、民間教育団体や研究機関がこれまでに数多くの実践を残してきた。それらの貴重な経験をまったく顧みず、新しい顔をしてアクティブ・ラーニングがにわかに登場してきたっていうのが気にくわない。
(^_^;) でも今の時代、アクティブ・ラーニングに移行せざるを得ないんじゃないですか。
考太郎 解説書などを読むと、いちいちもっともなことが書いてあるしねえ。
(^_^;) ということは、先生としては賛成派?
考太郎 そう言われると難しいねえ。大切なことは、授業なり指導なりの目標がまずあって、アクティブ・ラーニングというのはそれを効果的に達成するための方法の一つとしてあるべきだろ。
(^_^;) はい。
考太郎 指導方法というのは、教師が子どもの実態に即して工夫するものなんだ。今お上が進めようとしていることは、アクティブ・ラーニングを前提に置いてしまっているのさ。内容や目標より先に指導方法を決めて、それを教師に押しつけようとしている。
(^_^;) だから私たちが戸惑って、窮屈になってしまうんですね。
(臨時教員問題を考える会/三重「ひまわり」2017年1月30日号より)