みえ教育ネットワーク

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放射能汚染の中での学校再開……!

 今の福島を簡単にレポートします。

 いわき市のJRいわき駅前をスタートに、四倉町(よつくらまち)、広野町(ひろのまち)、楢葉町(ならはまち)、富岡町(とみおかまち)、大熊町(おおくままち)、双葉町(ふたばまち)(大熊と双葉は、通過だけ)、浪江町(なみえまち)、南相馬市、相馬市、飯舘村、川俣町(かわまたまち)………と、北上し、最後の福島市まで見てきました。

 6年過ぎて、震災の爪あとは、かなり消えていました。しかし、がれきの処理や河川や海岸の堤防の工事などは、まだ行われていました。 

 福島の復興を妨げているのが、放射能汚染です。各所に、放射性廃棄物の黒い袋の山が置かれていました。

 放射線測定器を持参しましたが、普段わが家では、0.08〜0.12マイクロシーベルトを示していますが、大熊町双葉町の国道を通った時は、バスの中でも5.53マイクロシーベルトを示し、警告のバイブが振動したのには、驚きました。(右の写真)

 6年経って、ざっと70倍の放射能です。JRの駅や、放射性廃棄物置き場などには、赤の電光で、はっきりと分かる線量計が置かれていますが、その値が、地面と比べると10分の1程度で、住民に不安を与えない値を表示しているように感じました。

 相馬市は、近くの真野ダムの水を水道水にしているそうですが、その水は、基準値内ですが、そのダムの底のどろは、2万6859ベクレルのセシウムがあり(毎日新聞 2016.9.25報道)、元高校教師のガイドさんは、あきらめ顔で、笑っていました。

 相馬市のNPO法人「 野馬土(のまど)」は、福島産のお米の放射能検査を全袋検査したり、農地の土壌の放射能検査をしたり、いろいろな活動で農業の復興のために尽力されていました。

 稲作も始まっていましたが、収穫されたお米は、備蓄米として政府が買い上げ、結局は、古米となって、家畜のえさになるのだと、ガイドさんの話でした。


 最後の3日目に訪れたのが、飯舘村(いいだてむら)の役場(右の写真)。昨年7月に再開され、仕事をされていましたが、住民は、ほとんど見られませんでした。ちなみに、役場近くの除去土壌等保管場所の空間放射線の表示は、0.22マイクロシーベルトでしたが、地面の線量は、2.12マイクロシーベルトという約10倍の値でした。

 現在、 学校は、避難先のプレハブ校舎で授業が続けられています。この狭いプレハブ校舎で6年間を過ごすことになる子どももいるそうです。来年4月に避難先の学校を終了し、飯舘村で学校が再開されるそうです。そのために現在の飯舘中学校を整備し、中学校1校・小学校3校・認定こども園を集約した施設となるそうです。校舎だけでなく、野球場・陸上競技場・屋内運動場・テニスコートなども併設する大規模な施設として、約60億円をかける一大プロジェクトです。
   
 関連のホームページによりますと

 「避難前の2010年度には幼稚園、小学校、中学校あわせて679人の子どもがいました。それが、どんどん減って、2017年度には139人になるはずです。原発事故がなければ村の学校に就学が予定されていた人数の約21%になります」これが来年4月の飯舘村での学校再開時には、「現時点のアンケート結果では50人くらいの子どもが帰るといっています。ただし、もっと減るでしょうね」(中井田教育長)という。

  また、菅野典雄村長は、「子どもを強制的に帰すつもりはない。それは保護者が決めるべきだ」として、現状の困難さは、認識しているようだ。とにかく、村に学校がなくてはならない、と述べている。

   さらに、ホームページの引用を続けます………

  国は放射線量の安全基準を0.23マイクロシーベルトとしているが、疑問視する声は多い。飯舘村役場の前では原発事故直後には44マイクロシーベルトという高い放射線量が計測されている。除染作業によって、それに比べれば低線量になっているとはいえ、「完全」に安全とは言い切れないのだ。山がほとんどを占める飯舘村では、そもそも除染作業ができない場所も多いのだ。  ……… 以上、ホームページから引用。
https://news.yahoo.co.jp/byline/maeyatsuyoshi/20170330-00069229/

 ガイドさんの話では、補償金が東電から出ている家族ともらっていない家族との対立は、すごいもので、親同士の対立から子ども同士の「いじめ」へと発展しているそうです。
 また、甲状腺ガンの発症も深刻です。チェルノブイリと比べると線量は低いから、何ら因果関係は無い、というのが御用学者や政府の見解ですが、10年後、20年後どうなっているかは、分かりません。住民のみなさんの不安は、相当なものでしょう。

  直接、学校などの施設を視察することはできませんでしたが、放射能汚染という目で見ることができない公害に悩み続けておられる福島の皆さんのご苦労を垣間見ることができました。今後も福島の皆さんに寄り添い、福島の放射能公害には、注視していきたいものです。皆さんも、この夏季休業を利用して、福島を訪ねてみては、いかがでしょうか。(元教員/四日市市

 追伸
 2017年8月31日 中日新聞記事より

 飯舘村教育委員会の調査 2017.8.30(0歳〜14歳 736人のうち408人から回答)
   来年4月から飯舘村に就学する……52人(13%)
              しない……318人(78%)
             迷っている……38人(9%)